2005.12.21
樋口靖洋監督 就任記者会見


【金森義弘理事長 あいさつ】

 こんにちは。
 今日は、先般12日に契約をいたしました樋口監督を新たなモンテディオ山形の監督としてお迎えすることができ、今日、このように記者の皆さんも集まっておりますけど、大変うれしく思っております。大変ご多忙のところ集まっていただき、厚く御礼申し上げます。
 また、今日はサポーターのみなさんもご出席で、大変期待をされていらっしゃるのではないかと思います。
 何回か監督ともお会いしましたけれども、非常にストレートなお方と拝見をいたしました。これまでも一生懸命にやってくれた監督はあるわけですけれども、サッカーに対する情熱というものを、今まで以上に感じることができました。そういったものが私の感想でありますが、やはり、横浜F・マリノスに長くコーチとして就任され、J1の優勝ということも度々経験され、その喜びをですね、先ほどうかがいますと、ぜひ選手、そしてサポーターのみなさんに味わわせて上げたいという、非常に熱い話がございましたので、私も感動して聞いておりました。
 後ほど、GMから詳細な経歴等の発表があるかと思いますが、来季ぜひ一緒にですね、フロントも頑張りながら、またサポーターのみなさんと一緒になって、監督とともにJ1昇格を目指して一緒にやって参りたいと思いますので、さらなるみなさま方のご支援をお願い申し上げまして、冒頭のごあいさつとさせていただきます。
 本当に今日はありがとうございました。


【金村 勲GMより、監督紹介】

  こんにちは。お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 報道関係のみなさんには、監督のプロフィールということでお渡ししておりますけれども、サポーターのみなさんもいらっしゃいますので、少し詳しくご紹介したいと思います。
 樋口靖洋さん。靖は「靖国神社」の靖、「太平洋」の洋、44歳です。三重県の四日市市出身で高校の名門・四日市中央工業高校をご卒業なさって、そのまま日産、昔の「日本リーグ」ですね、そこからサッカーのプロの一歩を歩まれた。そのまま、今度は指導者として、日産サッカースクールコーチ、あるいは横浜マリノスユース(U−18)等を経まして、1997年から、横浜マリノスユースの監督をご経験なさってます。その2年後、1999年から今年度まで、トップチーム横浜F・マリノスのコーチとして、まさにJリーグのトップチームとして、コーチを進めてこられました。
 私ども、前監督の退任に伴って、2つの願い事があったわけですけれども、一つはやはり、実戦指導経験の豊富な方。もう一つは選手構成上、育成もしっかりお願いできる、この2つの願いを乗せながら、監督さんをいろいろとあたって参りましたが、樋口監督に出会いまして、まさにピッタシだなあということで、ご要請申し上げたところ、快くお引き受けいただいたという経過でございます。
 そんなことで、次期監督として、またこれまで以上の、違った面での改革が、明るいチームづくりに励んでいただけるのかなあと、こんなご期待を申し上げているところであります。当然、日本サッカー協会公認のS級ライセンスを、2003年度に取得されております。その辺のことについて、後ほど質問があれば、ご本人、または私どものほうからお答えをしたいと思います。
 簡単ですが、ご紹介としたいと思います。ありがとうございました。


【樋口靖洋 監督 あいさつと質疑応答】

 こんにちは。(拍手)
 今ご紹介にありました、樋口靖洋と申します。この度、山形の監督に就任するにあたって、この山形というチームで自分の監督業としての第一歩を踏み出せること、非常に光栄に思っております。
 チームのほうからお話をいただいたとき、J1を目指すという姿勢を強く感じました。私もぜひ、監督業の第一歩を、そういう上を目指す、前へ進もうという力強いチームとともに、自分も成長できるということを強く感じて、このチームを引き受けることに致しました。
 山形というチーム、私もJ2の試合をこれまで外からずっと観てまして、非常に強く感じるのは、チームのまとまりが非常に強いと。そして90分を通 して戦うチームだということを、外から観て感じております。しかも、サッカーのベースとして守備がしっかりしたチームということを感じております。自分としては、その戦えるチームというベース、守備のしっかりしたチームということをベースに、自分の色として、躍動感のある攻撃的なサッカーということを色づけして、得点力を上げて、J1を目指すという強い気持ちでいます。それにはやっぱり、我々だけでなく、クラブのサポート、そしてサポーターのみなさんの熱い応援があって初めて実現することだと思ってます。みなさんの期待に応えられるよう、精一杯頑張ります。よろしくお願いいたします。

−−柱谷監督から鈴木監督までの5年間、チームのキャプテンが決められてなくて、ゲームキャプテンはいましたけども、樋口さんが監督になられて、チームキャプテンをつくるのかどうか、お聞きしたかったんですが。

樋口 できれば、僕はキャプテンを置きたいと思います。「できれば」と言うのは、当然選手の資質っていうのがありますので、キャプテンに相応しい、私がキャプテンに求めるものを持っている選手がいるということが、非常に重要になってくると思います。時期的にはキャンプ等を通 して、開幕までにその辺のところを自分の中で判断して、チームリーダーという形を置くのが、僕は望ましいと思います。ただこれは選手の資質を見たうえで、それに相応しいものとして置くか、あるいは、「置かない」と判断するかもしれませんけども、そういう考え方でおります。

−−来季に向けて、キャンプがあると思うんですが、キャンプで一番鍛えたいこと、やっておきたいことを教えてください。

樋口 まずはキャンプに行く前の、山形でのトレーニングの始動からキャンプでの期間を、フィジカルのベースをつくることに主眼を置いてます。この山形という土地柄、なかなか雪の上でトレーニングができないので、キャンプで芝生の上でトレーニングすることになったら、基本的には、そこから技術的な、あるいは戦術的なチームの形をつくっていこうと思っています。基本的にベースにある部分は、まずは選手の見極めですね。見極めというか資質というか、プレーであるとか、メンタルな部分の資質を、しっかりと把握したいと思います。それを把握したうえで、自分なりの色づけがどれだけできるのかということを、できればキャンプの第1クールぐらいまでで把握して、それでもってキャンプでは、戦術的なほうに進んでいきたいと思っています。まずは1年間戦えるベースを、特にフィジカルの面 でつくりたいと思います。

−−前監督、前々監督の場合はかなり走らせて、ランニングとかそういったものが主体にあったんですが、走らせるとか、そっちの方向についての鍛え方というのはやるんでしょうか?

樋口 もちろん、自分の中では、90分間走り通せることがアグレッシブなサッカーをするベーシックになると思います。そのためにはやっぱり、一番やらなきゃいけない時期が1月から2月だと思います。選手には、その部分はかなりの濃さで、負荷を掛けて要求していきたいと思います。

−−樋口監督が今現在考えてらっしゃるフォーメーションと、現状で足りない補強ポジションをお願いします。

樋口 フォーメーションと言うかシステムについては、まずは選手を見ることから考えないといけないと思います。先にシステムありきではなく、選手に合うシステムがベースになると思います。また、僕が外から見た限りでは、これまで慣れ親しんだ4−4−2の4バックという形が一番浸透しているのかと思います。基本的にはその部分をベースに考えていますから、ただ、中盤の形を変えてみたりとか、あるいは選手の資質を自分の中で見ていくうえで、3バックが本当は適してるんじゃないかとか、その辺のところはキャンプの中で見極めを図っていきたいと思います。補強に関しては、強化の人間といろいろとお話をさせていただいてます。重点的にと言うよりは、基本的に各ポジションに2人、同じくらいのレベルの選手を置きたいと思います。というのは、シーズンを通 して48試合の戦いを考えたときに、これは非常に日程から見ると過密日程であり、非常にレベルを維持するのは難しいと思います。ただ、そのレベルが維持できなかったら、勝ち点を取っていけない。そう考えたら、同じポジションにできるだけ同じレベルの選手を2人以上置いて、競争っていうのをチームに導入したいと思います。その競争はやっぱり選手個々のレベルを上げていくと自分では考えおりますので、そういった形の補強をお願いしています。それと、重点的に言えば、点の取れる選手が一つの大きな課題だと思います。昨年のチームの得点王が、データで見ますと12点を取った原竜太選手で、チームの得点王が12点。点を取れる選手をなんとか獲得する、もしくは今いる選手を鍛えていきたいなと思っております。

−−監督はJ1の横浜F・マリノスでコーチをされて、優勝経験もありますけれども、J1とJ2で戦い方に何か違いというものを感じておられるでしょうか?

樋口 J2の部分で試合を観ると、非常にリアクション・サッカーをするチームが多いのかなと思います。わりと組織をつくってカウンターを狙うサッカーをするのがJ2に比較的多くて、J1はどちらかと言うと、自分たちのサッカーをまず追求しようといったところは、私の印象では違いがあるのかなと思います。

−−J2はリアクション・サッカー、カウンターが多いという話ですが、監督は攻撃サッカーを目指す。カウンター主体のチームを崩すためのポインというのはどこだと見ていらっしゃいますか?

樋口 山形というチーム、ちょっと数字ではわからないんですけども、僕の観た主観で言えば、ポゼッションがかなり高い。たぶんJ2の中では一番ボールをポゼションしながら攻撃を組み立てることができるチームだと思います。反面 、それは相手の罠にはまってカウンターを受けて失点してしまうという部分も感じてはいるんですけれども、ポゼッションができるっていうことは、非常にいいことだと思います。ただ、少しその中に、攻撃の速さだとか、相手の陣形を崩すために少し長いボールを使ってみるとか、あるいは攻撃の人数ですね。特にぺナルティエリアの中で仕事をする選手を育てたい。あるいは、そういう機会を多くしたい。それが得点を、しかも下がって守る相手、リアクションでプレーしてくるチームに対して有効かなと思います。

−−今の質問とかぶる部分があるかもしれませんけれども、一番最初の言葉の中に、山形は守備がしっかりしていると、そのうえで、躍動感のある攻撃的なサッカーを目指したいというふうにおっしゃいましたけども、具体的にはどういうような形なんでしょうか?

樋口 躍動感っていうのは、まずは人が動くこと。それからボールが動くこと。これは同時進行なんですけれども、人の動きが多くなればそれだけスペースをつくることができる。それから、そのスペースを使うことができる。そういう部分がやりたいことです。いわゆる、出入りの多いサッカーですね。それともう一つは、攻撃という意味では、常にゴールを目指す姿勢を持つと。ポゼッションはややもすると、ボールを回すことが目的になってしまって、本来のサッカーの目的であるゴールを奪うことのプライオリティが少し下がってしまうところがあると思うんですけど、常にゴールを意識する。一発のパスでゴールを取れればそれが一番。それができないからこそ、サイドに開いていったり、バックパスも入ってくる。そこのプライオリティのところを整理して、その中でしかも人も動きボールも動く。常にゴールを意識した状態でボールを動かすのが、自分の中で躍動感ということだと思います。

−−その部分では、現状のチームでは足りないですか?

樋口 すべてのゲームを観たわけじゃないんですけども、ポイントとなるゲームを10試合ほど観てる中では、少し攻撃の速度という部分では遅い。それから、人が出てくる人数が少し足らないのかなと思います。ある程度リスクを背負っても、人数を掛けてゴール前に殺到してチャンスをものにするという部分では、もう少しアグレッシブにできる、というふうに考えます。

−−樋口さんは、横浜F・マリノスという、アジアでも頂点を目指そうかというチームにいらっしゃいましたけれども、そういったメンタルな部分、もう少しここを強化したいという部分はありますか?

樋口 先ほど、理事長ともお話したんですけれども、勝つ喜びというのは、たくさん味わえば味わうほど、さらに勝ちたいという気持ちになってくると思います。負けず嫌いというのを、選手にはぜひ植え付けていきたいと思っています。負けることに慣れてしまっちゃいけない。勝つことでどんどん自分も自信を持ち、チームも自信を持ち、成長していく。だから、勝つ喜びをまずは味わわせたい。それが一つですね。それと、これは当たり前のことですけど、選手には常にベストを尽くすことを要求します。どんなトレーニングであれ、どんな試合であれ、ベストを尽くすこと。これは選手に対して義務として求めていきたいと思います。それとたくさんになっちゃうんですけど、もう一つ。「強者のメンタリティ」っていう部分を、僕は…まあ、自分で言うのも変ですけど、マリノスでいろんな監督のもとでやってきましたけども、常にどの監督も選手にそれを求めてきました。その「強者のメンタリティ」っていうのは、「恐れることなく、おごることなく、あきらめることなく、あわてることなく、ひたむきに戦う」。これはいろんな監督からもそういう話を選手にもしてますし、我々コーチにもいろんな話をしている。 それが本当に強いメンタルな部分になっている。それが安定したゲーム運び、選手も冷静になれると思います。そういう意味で、「強者のメンタリティ」を求めていきたいと思います。

−−現実問題として、マリノスと比べるとクラブとしてのサポート体制とか、資金面 も含めて山形とは差があると思うんですが、その辺りで今回、監督を引き受けるにあたって、「こういうふうにしてください」というふうに、監督のほうからクラブへの要望というか、条件のようなものは出されたものはあるでしょうか?

樋口 特にこうして欲しいという条件は出してません。私自身がまだ、山形というクラブの現状を把握してないというのが一つあります。ただ、いろいろお話をしている中で、上を目指そうという姿勢を、現状ではできないこともいろいろあると思うんですけれども、上を目指すという部分の熱意、それからそういう姿勢、そこに向かってこれから財政面 の努力もやっていこうという前向きな姿勢というのを十分に感じます。これはJ1のクラブとJ2のクラブ、クラブの体力、財政的な体力とか、その部分では当然違いはあると理解したうえで監督を引き受けておりますし、ただ現状に甘んじて、「うちはこれしかできないから、できません」という姿勢だったら、これは断ってます。そういうことじゃなくて、「上を目指そう」「これからどんどん変わっていくんだ、変えていくんだ」という姿勢を強く感じるので、その部分で私は、これから現状いろいろ把握していく中で、当然、施設の面 、クラブハウスの問題、選手の環境面の問題等、選手のストレスを少しでも減らしてサッカーに専念できる環境っていうのを整えていけるように、要望はしていくことになると思います。

−−これまでと若干ダブる部分もあるかと思うんですが、監督にとっての目標、それからその目標に向けたタイムスケジュールというのを、まとめてお話いただけますでしょうか。

樋口 目標はもう、一つです。「J1昇格」です。具体的な数字等、データ等をまとめて、これは選手のミーティングに、申し訳ないですけどみなさんより先に、選手にまずは公表したいので、これはちょっと控えさせていただきますけども、ターゲットはJ1昇格、これがすべてです。そこまでのタイムスケジュールという部分では、まずはしっかりとしたベースづくりを1月、2月でやって、非常に長期にわたりますね、第4クールまで、48試合あるので、当然波がチームの中で出てくると思います。その波をできるだけ小さく、いわゆる、山を大きくして、谷を小さくしていかなきゃいけない。ここ2年、第2クールがどうも勝ち点が伸びてないのが山形の現状です。この原因がどこにあるのかというのはこれから探るところなんですけれども、谷の部分をできるだけ少なくなるようにやっていきたいと思います。それは先ほども言ったように、48試合を乗り切るには、選手の数…来年は30近くの選手になると思うんですけれども、全体のレベルを上げないことには そういった意味では、48試合を安定した力を発揮するためのことを考えます。そのためには先ほど言ったように、一つのポジションに2人以上の同じレベルの選手を獲得してもらって、競争の中で全体のレベルを上げて、誰が試合に出てもレベルが落ちないという状態をつくっていきたいと思います。

−−今のお話ですと、これから2〜3年掛かるということではなく、1年目からJ1昇格を目指していくということでよろしいでしょうか?

樋口 僕が監督を引き受ける以上、それは2年、3年と待つのではなく、 過去5年で、ちょっと成績が悪くなった時期もあったと思うんですけれども、去年それから今年と、4位 5位と、あと一歩のところ、勝ち点で言えばあと2〜3勝すれば手の届くところにあるんですよね。そういう意味じゃ、十分狙える位 置にいると思います。選手の層から考えれば、若手の育成というのも当然視野には入れています。育成と勝つことと、若干矛盾する部分もあると思いますけれども、やはり監督としてやる以上、来年のJ1昇格が一番だと思っています。

−−J2は4回戦総当たりのリーグなんですけれども、同じチームと4回当たるというところの難しさですとか、それを活かせる部分というのはどのように考えていらっしゃいますか?

樋口 4回当たるということで、当然相手も第3クール、第4クールと進むにつれて、当然研究もされるし、長丁場ということもあって非常に難しさを感じます。ただ、あくまでも自分たちのサッカーをやりたいというのが一つはあります。相手がこういうサッカーをするから、こういうふうに合わせていく。そういった意味でのリアクションサッカーじゃなくてですね、常に「山形はこうだ」という部分を出していきたいというのが一番じゃないですかね。

−−小声で結構なんですが、勝負ネクタイの色があったら教えていただきたいと思います。

樋口 正直、あまりネクタイをしないので、できればベンチでもジャージでやりたいと思ってます。ネクタイはあまり持ってないんですよ(笑)。

−−来季はJ1から3チーム降格してくるわけで、戦力的にも少し上になると思いますが、そういったチームに対しての戦い方をどういうふうに目指していくか、教えていただけますか?

樋口 先ほども言いましたように、相手がどうであれ自分たちのサッカーを、この1月、2月、3月で、キャンプから開幕までの間で築き上げて、相手がどうであれ、それを貫いていくというのが基本姿勢です。当然、上から落ちてくるチームというのは経験のある選手たちが多いんですけれども、それに臆することなく戦うことが大前提になると思います。だから、相手によって戦い方を変えるという基本的な考え方はないです。

−−最初の質問とかぶるんですが、チームキャプテンを置くことのメリットというのは? 恐らくメンタル的な部分だと思うんですが、長年のコーチ経験から、どのようにお考えになっているのか。

樋口 選手は、コーチや監督から言われて動くだけでは僕はダメだと思うんですね。選手の自動的な判断のもとに動かないと。そういう意味でも、選手の中にリーダーシップを持ってる人間っていうのが少なからず絶対いると思うんですよね。それを発揮することがチームにとっていいことであれば、キャプテンに任命することによって本人の自覚と、それから周りの選手はキャプテンとしての意識を持った対応になる。そういう意味じゃ、キャプテンにはすごく重要なチームの役割を担っていると思います。選手の中での話し合いっていうのがすごく大事なことだと思ってますので。常に一方的に監督・コーチからの指示を待って、それをこなすだけではやはりダメで、それにはやっぱり、選手の判断によっては、リーダーシップを持った人間の存在っていうのもいいほうに、もちろん、それは我々がフォローしなければいけないことなんですけれども、そういう資質を持っている人間がいれば、置かないよりはいいと思います。

−−先ほど、「点の取れる選手の補強」という話がありましたが、外国人フォワードの必要性はどのように感じていますか?

樋口 J2の得点ランキングを見ると、ほとんどが外国人で、それはJ1もそうですね。必要性は感じます。当然。感じますが、それが山形のチームに合うかどうかも含めて、今チームのほうには探し回ってもらっている。方向としては、そういう形で希望は出していますが、まあ、必要性を感じるかと言われれば、必要性は感じます。

−−チームの始動からキャンプに入るまでに、かなりフィジカルを鍛えていきたいということでしたが、選手はオフに入ってますけれども、オフの間の選手の過ごし方で、監督から求めていることはあるんでしょうか。

樋口 私の就任が決まって正式発表されたときには、もうオフに入っているようなもんだったので、直接選手たちには要望は出していません。ただ、トレーナー等に選手のコンディション、終了時点のコンディションですね、それから例年、チームが集まったときに選手はどうなのか。ある程度オフの状態で来るのか、それとも少し自分でつくって来るのかと確認したところ、「山形の選手は非常に意識が高くて、いい状態で集まってくれると思います」というふうに聞いております。これはぜひ期待して、ある程度コンディションを動かせる状態で選手が集まってくれることを期待しています。ぜひそれを書いていただいて(笑)、選手に伝えていただきたいと思います。

−−もう少し具体的に、コンディションを整えるという部分では、合流までにどの程度のコンディションであって欲しいですか?

樋口 少なくとも持久性の、ローパワーのランニングを、少なくともチームが始動する1週間くらい前から体を動かす。できれば常に30分、40分の、まあジョギングレベルで構わないんですけども、それを十分こなしておいて欲しい。それがやっぱり、疲労回復にもつながるベースになると思いますので。チームが始まったら、スタートはローパワー的なところが多くなると思うんですけれども、体力要素をできるだけ早く取り入れたいし、それについてのトレーニングに早く移っていきたい。実戦に早くつなげることで、私自身もチーム、選手を見るのが初めてになるので、そういう部分をつかむうえではやはり、実戦形式をできるだけ早い機会に入れていきたい。そのためには、ローパワー系をしっかりした状態で、ある程度高いレベルで集まってもらって開始したいと思ってます。

−−先ほどの外国人選手の獲得の話につながるんですけれども、モンテディオ山形の場合は、ここ数年外国人選手の獲得に関して必ずしもうまくいっていない部分があると思うんですけれども、それに対して新監督として考えられてる対策というか、どのような工夫をされて獲得の手はずを考えていらっしゃいますでしょうか

樋口 外国人というのは、どのチームも当たり外れというものが正直あります。私もマリノスでやったときに経験してますし、これは非常に難しいです。そういうリスクを少し減らす意味では、日本で実績がある、日本の生活に慣れてる選手を獲得するのも重要な要素になってきます。日本を知っている、日本でのプレー経験があるっていうのが、非常に重要な要素になってきます。

−−今の時点で、具体的に考えられている選手というのはいらっしゃるんでしょうか。

樋口 契約ごとだし、いろいろあるので、名前は控えさせてください。

−−山形の印象というのはどうですか? おそらく、雪国暮らしは初めてじゃないかと思うんですが。


樋口 マリノスのチームとして、2、3回、来させてもらってます。この冬の時期に来たのは正直言って、契約のサインをしに来た先週と今日で、2回目です。正直、雪の多さに驚いていますが、いろいろ聞きますと「まだここは少ないほうだよ」なんて言ってたので、正直驚いてます。一番自分が心配なのは、雪道の運転です(笑)。それ以外はすごく、僕は山に囲まれるのもすごく好きですし、何か温泉が多いと聞いていて、自分の身も心も癒せると思うので、楽しみにしてます。■



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