2005.12.3
鈴木淳監督 退任記者会見


 本日のゲームをもって、新しく来年の契約を更新せずに退任することになりました。サポーターの皆さんには本当に、勝っても負けてもいつも大きい声を出して声援を送っていただきまして、本当にありがたく思っております。今日も雪の中、大勢の人が駆けつけてくれて選手を鼓舞してくれたこと、それに対して非常に感謝したいと思います。
 この2年間、私は非常に楽しい日々を過ごさせていただきました。選手もサッカーをすることに対して、楽しんでくれた時間が多かったこの2年間ではなかったかなと思います。これでこのチームも、そして私自身も、サッカーというところから離れるわけではありませんので、また違った形で山形に貢献したいと思いますし、また日本のサッカーのために頑張っていきたいと思っています。

■退任の理由をお聞かせください。

まず、J1昇格という目標を掲げながらそれが2年間果たせなかったというのが大きな理由です。そして、私自身もそうなんですが、やっぱりどうしてもマンネリになったりとかそういう部分もあるので、選手自身にとっても私自身にとっても、新しい指導者を迎えたり、私自身もそういう環境を求めたりということがいいのではないかなというふうに思って、そういう決断をしました。

■特に今シーズンについてお聞きしますが、昇格できなかった原因は何でしょうか?

 原因はいろいろあると思うんですよね。ピッチ上のことにだけついて言えば、最後の、ペナルティエリアにかかってからのプレーの精度、ゴールに向かって20メートルのところでのプレーの精度を欠いたのかなと思います。

■この2年間、フロントの支援体制についてはどうお感じになっていましたか?


 皆さんはどういうふうに思っているかわかりませんけど、私は非常に協力していただいたなというふうに思っています。(どういった面 で?)例えばですね、細かいことですけど、遠征の段取りをするにあたって、これまでと違ったようにやっていただいたり、移動の面 に関してやキャンプの面に関して、そういったところでは非常に協力をいただいたなと思います。ですから私が常々言っていたのは、選手にとって一番いいことをやらなくちゃいけないし、スタッフもそうだしフロントもそうだということで、そういうことを話して、そういった面 では非常に協力していただいたなと思います。

■補強についてはどうお感じですか?

 これは非常に難しい問題だと思います。ふんだんにお金があればそれは別な話だと思います。やっぱり限られた予算の中で、限られた規模で、限られた選手で結果 を出さなくちゃいけないわけですよね。それを私自身ができなかったということが退任の理由なんですけど、やっぱり非常に限られた中で強化をしていくということは、皆さんが考えるよりも非常に難しいことではないかなと思います。そして例えば、私がフロントに要求したのは、使えない選手を呼んできてもダメだということ、それと今と同じレベルの選手を呼んできてもダメだということ。だから獲るんだったら本当に使える選手を呼んできてくれということです。で、その使える選手というのはコスト的にも高いでしょうし、そういう難しさはあったのではないかなと思います。

■今シーズンの、監督から見たベストゲームとその理由は?

 えー(笑)、そのベストゲームは実は勝ってないんですよね。結果として勝てなかったのでベストというふうには言えないのかなと思うんですけど、例えば第3クールの湘南戦(1−1)とかは非常にいい形で攻め込むことができて、あとは決めるだけというチャンスをたくさんつくったとは思うんです。その前にディフェンスのつまらないところでの失点はありましたけど、攻撃に関しては非常に納得のいくゲームだったかなと思います。

■先ほど、「新たな環境が必要」とおっしゃいましたが、それは具体的には?

 つまり、新たな環境ということは「ここを出る」ということですから。(行く先は?)いや、決まっていません。本当ですよ(笑)。

■クラブ、あるいは関係のところから、オファーはあるのですか?

 はい、あります。(何箇所ぐらい?)複数です。(具体的には?)いや、言えません。

■サッカー以外での、特に印象的な山形でのことなどは?

 そうですね、非常に人が温かいなというのを感じました。それからやっぱり、そばがおいしかったな、と(笑)。別 に僕は監督を辞めるんでもう山形に来ませんよというわけではありませんし、また来る機会もあるでしょうし。それから同じようにサッカーの世界で、職のある限りですけど(笑)、携わっていこうと考えていますので、そういう意味ではまた新たに戻ってくることもあるでしょうし、そばを食べに来ることもあるかも知れませんので、そういった意味では全くここの地から離れるのではないというふうにお考えいただければありがたいと思います。

■今後モンテディオがJ1に行くためには、どんなことが重要になってくると思いますか?

 まず、焦らないことだと思います。というのは、やっぱり限られた条件の中でやっていくためには、昨年4位 ・今年は5位という中でやってて、これを繰り返していくことが僕はとても大切なことだと思うんですよね。そこからある時、選手が育ったり、いい監督にめぐり合ったりということで、J1昇格ができる機会が必ず出てくると思います。確かに目標はJ1なんですが、その規模とか条件を考えると、こういうところをいつもキープしていくということが、そして焦らずにそこを狙っていくということが、僕は大切だと思います。
 まだモンテディオ山形がJ1に届かないということではないです。だから、J1を目指して、じゃあ金をつぎ込めばいいのかと、そういうことじゃないと思います。もっともっと基盤をつくったり、現場もフロントも体制づくり、組織づくりをしたりとか、そういうことを積み重ねていく。そしてトップチームはこういうふうに本当に昇格を争えるような順位 をずっとキープしていくことによって必ずやそのチャンスが出てくるというふうに思います。

■ホームでの勝率が悪かったことについて、思い当たることはありますか?

 いや、特にありません。

■モンテディオ山形のような社団法人形式で、J1昇格は可能でしょうか?

 可能だと思います。可能ですけれども、先ほど話ししたように、早急に結果 を期待するのではなくて、時間をかける…時間をかければいいというものではありませんけど、そういうふうにやっていかなくちゃいけないなと思いました。

■複数チームからオファーが来ているということですが、その中から監督を引き受けるということになりますか?

  はい。(J2よりJ1でやりたいというような気持ちは?)いや、それはJ1でもJ2でも僕は関係ないと思います。プロであろうがユースだろうが、自分がやり甲斐のある仕事をやりたいということと、先方が私に期待してというか、望んでいるというクラブであれば、ということです。

■オファーは、全て監督としてのオファーでしょうか?

 (笑)いや、それは申し上げることはできません。監督も、あります。

■環境を変えるということは、2年目のどの辺りからお考えだったのでしょうか?

 一つの辞める原因は、成績です。ですから、環境についてはどの辺からということではなくて、やっている中で、私自身にも甘さというのが出てきたりというのがありましたので、やっぱり慣れですよね、その慣れの部分で、それがいつからということではないんですが、その辺はシーズンが深まるほど感じてきた部分ではあります。 ■


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