2004.11.13 第84回天皇杯全日本サッカー選手権大会 4回戦
モンテディオ山形 1-2 横浜F・マリノス
前半0-2 後半1-0
入場者数:6.536人
得点者:22'安(横浜F)、32'坂田(横浜F)、87'大島(山形)

 試合開始直後からラインを高く上げ、前線から厳しくプレスを掛けてくる横浜F・マリノス。そのライン裏をめがけたモンテディオのロングボールが、6分、7分と効果 的に入る。特に、6分過ぎ、小林のフィードに大島がひと足早く追いつきシュートを放ったが、GK下川に阻まれた。
 また、守備では坂田、清水と足の速い2トップが裏へ抜ける動きに、小林とレオナルドが落ち着いて対処した。

 15分を過ぎたあたりから、F・マリノスのプレスも少しずつ緩くなり、その隙を突いてモンテディオのパスをつないでのビルドアップが形になってくる。しかし、ボールがサイドまで到達してから、効果 的なクロスが入らず、ゴール前でも中澤、松田の日本代表を含む3バックが跳ね返し、ゴールはなかなか生まれなかった。

 2トップと中盤が間延びしていたF・マリノスは、15分過ぎから清水と安のポジションチェンジを行なうようになったが、この狙いが的中する。
 前半21分、中盤からワンタッチのパスを数本続け、坂田スペースに流れた清水にパス。この折り返しを、ゴール前で安が決め、横浜F・マリノスが先制した。モンテディオは速いパス回しにマークがズレてしまった。

 しかし、モンテディオは慌てることなく、しっかりとした守備を基盤にカウンターを狙う。そして前半32分、そのチャンスがやってきた。モンテディオが右サイドからクロスを上げて攻め込んだ。ところが、そのこぼれ球を奥が拾うが、前掛かりに攻め込んでいたモンテディオの守備は手薄になっていた。ボールは前方やや左の安へ、続いてゴール前の坂田へとつながり、ほぼ最短距離で仕掛けたカウンターで追加点を奪われた。

 後半に入り、「ディフェンスラインで回っているときに、全体がローテーションするような動きを」というい岡田監督の指示で、F・マリノスが中盤も含めたポジションチェンジを多く取り入れるようになる。これに翻弄され、後半は細かくパスをつなぐF・マリノスが内容で圧倒する。モンテディオは前半6分に早々と林を投入するが、攻撃機会の激減でトップまでボールを届けることもできずにいた。

 30分過ぎからはF・マリノスがしっかりとゴール前を固め、このままホイッスルかと思われた後半42分、永井からの縦パスを中央で受けたと秋葉が、ドリブルで相手2人を引きつけた後、右サイドのスペースへ走り込んでいた林へとパス。林のクロスをファーサイドで待つ大島が頭でとらえ、追撃の1点を挙げた。

 しかし、反撃はここまで。モンテディオは1−2と敗れ、5回戦進出はならなかった。
 鈴木監督は記者会見で、「J1のチームに対して我々の持ってる力がどれだけあるのかということで、下手な小細工をせずに自分たちのサッカーをやるということで、今日のゲームに臨んだ。ビルドアップの部分について、あるいはくさびに入るというところまでは行ったが、最後のシュートがほんとに打たせてもらえないということ、カウンターで2点目を失ったが、守備から攻撃への切り替えの早さはJ1のチームはまったく違う。それに対応する術がなかった」と話した。



■大島 秀夫 選手
 チーム全体としてもいい攻撃が出来ていたので、もうちょっと早く前半のチャンスに決めていたら良かったのかなと思います。やっぱりその辺で決められなくて、J1ではミスが命取りになって、そこから速いカウンターとか、ここぞというところがやっぱり違うなという気がします。
 (F・マリノスが)優勝した時の強さかどうか今日はちょっと分からないのでなんとも言えないですけど、足りないものはありますけど、今日だけで言ったらやれると思いました。

■桜井 繁 選手
 (前半押している場面もあったが?)でも、結局2点取られて、0-2だったので、結局は相手の思うつぼというかペースだったという事じゃないですかね。
 (失点の場面については?)1点目は細かくいっぱい繋がれて、その間にマークを見失ってしまったという感じだったと思います。2点目は典型的なカウンターでやられてしまいました。改めてもうちょっとしっかり準備していないといけないという感じがしました。やっぱり、精度の高さは感じました。
 後半はみんな気持ちを切らさずに、まず1点取れば流れが変わるからという事で臨んで、切らさずに最後の最後まで戦えたので、次につながる試合にはなったと思います。
 (最後に1対1を上手く防いだ場面について)集中してリラックスして出来たので良かったんじゃないかなと思います。先に倒れないつもりでしっかり粘っていこうと思って行った結果 、相手がバランスを崩した形だったので良かったです。2失点目の時もそういうふうに出来れば良かったんですけど、相手のうまさもあったし、自分が先にバランスを崩してしまったのもあったので、もう1回、次の試合に向けてその辺を確認したいと思います。
 やれば出来るというのはすごく感じました。精度が高くて2点取られましたけど、そういうところでもう少し積極的に行ければ1点目は防げたんじゃないかなと思います。あとはそれなりに出来ていたと思うので、J1だからといって出来ないことはないなと思いました。惜しくても負けてしまったら何の意味もないので、こういう試合はやっぱり勝たないと何も言えないです。
 (リーグ戦に向けて)もう1回しっかり、自分たちのサッカーというのを考えて、整理してやりたいなと思います。特別 なことは特にやるつもりはないですね。あとは思いっきり臨みたいです。

■小林 久晃 選手

 今日もいつも通りで臨みました。ただ勝ちにいくということしか考えてなかったです。終わってみると、やっぱり個人の能力は高いですけど、こっちも同じくらいチャンスは作れていたので、やり方次第ではそんなに手が届かない相手ではなかったというのが感想です。
 失点の場面には自分が結構絡んでいたので、自分の反省すべきところはその失点シーンです。1点目も2点目も、個人のミスだけじゃないですけど、連携というか意志の疎通 がなっていなかったという感じです。1点目はそこには来ないだろうという話をしていたところだったので遅れちゃったんです。あれはもうちょっと付いていくべきだったと思います。相手のフォワードの動きは、2トップと言うよりは3トップ気味に3人が流動的に動いていたから、ポストプレーヤーと言うよりは2人が裏を抜けて一人が下りてという感じだったので、なかなかJ2にはいないようなフォワードたちでした。でも失点シーン以外は裏を取られるシーンもなく、ミスからやられているだけなのでそんなに悲観することもないと思いました。
 (次の試合はリーグ戦に戻るが)ここ2試合は勝ちがないのでもう負けられないし、下も迫ってきているので。そんなにプレッシャーにも感じていませんけど、やることは分かっています。「まず守備から入って我慢して」そういうサッカーをしていればフォワードが点を取ってくれると思うので、そういうサッカーをしていきたいと思います。


■迫井 深也 選手

 ゲーム運びの上手さがや個人の差が大きくあるなと思いました。J2のレベルだと、山形も悪くはないと思うんですけど、J1のレベルとやるとなると差はあるかなというのは感じました。ポジションの修正なり、攻守の切り替えなり、そういうひとつひとつの判断という部分で違いがありましたね。細かいところでの差が大きくあると思います。
 ボールポゼッション出来たのか、逆に回させられていたのかは、相手がどう思っているのか分からないですけど、結局シュートまで行っていていないという事を考えると…。結局どれだけいい形で回してもシュートで終われていないというのは、相手の範囲の中でのサッカーしか出来ないんじゃないのかなとは思います。


■大塚 真司 選手

 立ち上がりに自分たちのリズムがすごく良くて、「これはいけるぞ」という感じでみんなプレーしていたと思うんですけど、ちょっといいペースだっただけに前掛かりになってしまって、それで失点してしまいました。その辺が反省しないといけないところだと思います。自分がもう少しバランスを取ってプレーしても良かったのかなというのもありますし、後ろのカウンターに備える準備というのも、もっとこれから残り3試合に向けてしっかりやらなければいけないと思います。
 カウンターとかでやられてしまったので、しっかりディフェンスから入ってというやり方をやった方がいいのかなと思いますし、自分自身もまずは2人のセンターバックの前でしっかりバランスを取りながら確実にゲームをコントロールしたいと思います。
 結果は結局2
-1ですから、簡単に2点失ってしまったという事で、その辺の差は大きいと思うんですけど、やっぱり試合運びですよね。もうちょっと落ち着いて。流れが良かっただけに、ちょっとイケイケになってしまったところがあるので、もう少し全体を見ながらやっていけばもっともっといい試合が出来たんじゃないかなと思います。

■永井 篤志 選手

 強かったです。というより、決めるところを確実に決めてくる。うちも中盤でいいところまでは行くんだけど、最後のシュートを打つ時にディフェンスが上手く寄せているというか、シュートコースを上手く消していて、その辺の違いが出たんじゃないかなと思います。ある程度までは持たせてくれるけど、最後の最後では厳しく来るので。
 (惜しいシュートがあったが?)風に流された。でも、あれで走り込んでいけばワンツーみたいな形になっていた。そこが違い、みたいな。あそこをJ1のチームなら詰めているかな。
 (J1を相手に個人的には?)イマイチというか、相手が相手なので。でもやれない事はないかなという感じです。やれないことはないので、頑張ってその場に行きたいです。


■星 大輔 選手

 チャンスは作れているんですけど、最後のところで体を張られて守られているところが違うのかなと思います。クロスは上がっても中で確実にはじかれたり。もうひとつ精度の高いボールを入れないと、点は取れないのかなと思いました。随所には差はありますけど、基本的には全体的に見るとそこまでは差はないんじゃないかなと思います。
 (古巣との対決でしたが?)高校の時からお世話になっているチームだったので、ちょっとでも良くなったところを見せたいなと思ってやっていました。
 J1だから、チャンピオンチームだからという、そういう気持ちはなく、いつも通 りのサッカーをしないといけないという事はみんなも監督も言っていました。
 (チームの状態は?)悪くはないと思うんですけど、カウンターでやられているので、そのカウンターというところがリーグ戦でもやられているところなので、そこを修正出来れば他は問題はないですし、状態はいいんじゃないかなと思います。
 (次はリーグ戦・仙台戦だが?)ダービーという事もありますし、残り3試合で上に行くためには負けられない試合だというのもあります。本当にダービーというのと残り3試合というのは絶対負けられない試合だと思います。アウェイですし、気持ちを強く持って戦いたいと思います。


■秋葉 勝 選手

 J1のチームとの試合には出たことがないので、すごく出たくてしょうがなかったので、出場できたことが嬉しいです。
 Jリーグにプロとして初めて出た時は緊張して頭が真っ白になったりしたんですが、今年も何試合か出場して経験を積ませてもらっているので、最近はいい意味での緊張感を感じられるようになっています。そういうこともあって、今日、初めてJ1との試合ではあったけど、自分なりにいいプレーができたかなと思います。
 後半のみんなが疲れてきた時間帯に交代で入って、得点に関わるプレーができたのは良かったです。でも、(林)晃平さんのボールと大島さんのヘディングが良かったんです。
 でも、シュートが打ちたかったですね。(相手の)寄せが早かったりしたので、なかなか打てませんでした。それとプレッシャーが早いです。いろいろ学べるところがあったと思います。まず見て思ったのは、「選手の体つきが違うな」ということです。すごく胸板とか厚かったです。またフィジカルを頑張って、それと、プレーのいい所などは盗んで(自分のモノにして)いきたいと思います。


■林 晃平 選手

 今日は得点に絡むことができましたけど、それだけです。自分でもシュートを打ちたかったです。ボールがくれば打てるチャンスはあったんですけど、やっぱりそこはJ1のチームなので、最後のところまでなかなか行かせてくれないなと感じました。見た感じにフィジカル的にも「おっきいな」というのも感じたし、「パスのポゼッションとかも上手いな、ゲーム運びが上手いな」とも思いました。でも、すぐフィジカルが上がるというものでもないし、自分でもコツコツやっているので、それが実ればいいなと思います。



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