2004.11.6 J.LEAGUE DIVISION 2 第41節
モンテディオ山形 1-1 湘南ベルマーレ
前半0-1 後半1-0
入場者数:6.656人
得点者:04'柿本(湘南)、83'星(山形)

 湘南ベルマーレは前回の対戦で逆転で苦杯をなめている相手。モンテディオはまずは前半を無失点に抑え、後半で勝負に出たかったが、思わぬ 展開でゲームが動く。
 前半4分、右からのクロスに飛び込んだ柿本にディフェンスラインを割られ、そのままゴール。湘南に先制を許した。
 モンテディオは出だしから、特に中盤の永井、大塚のパスがことごとく相手に奪われてカウンターを浴びる。攻撃のリズムをつくれない中、サイドを割ってクロスを上げたり、湘南陣内でのセットプレーを数多く奪うチャンスもあったが、湘南の堅いディフェンスと枠外に飛ぶシュートの山で、前半は0−1のビハインドで折り返した。

 後半に入ると、モンテディオは左サイドを中心に攻め込むが、さらに守備の意識を高くした湘南のゴールをなかなか割ることができなかった。
 後半16分には、大島との縦のワンツーから梅田がミドルシュート、23分には左コーナーキックからファーサイド宮沢が折り返し内山がヘディングシュート、25分には縦パスをラインの裏で受けた永井がペナルティーエリア内でシュート。しかし、いずれも枠内に飛ばず、時間は刻々と過ぎていく。
 パワープレーを続けるモンテディオは、後半33分に迫井に代えて松田を投入。早くも3枚の交代枠を使い切って一層前掛かりに攻める姿勢を見せた。
 その5分後、林が右から上げたクロスをGK鈴木正人がクリア。そのボールを星がペナルティーエリア内中央でフリーで受けると、右足を振り抜いて同点ゴールを挙げた。
 勢いに乗り、もう1点を挙げたかったが、大きなクリアとカウンター攻撃を繰り返す湘南の前に、4分間のロスタイムでも決勝点が奪えず、結局は引き分けに終わった。

 試合後、鈴木監督は「早い時間に失点したことが最後まで響いた」という失点の部分と、「あれだけのチャンスがありながら1点に終わったというのが、まだまだこのチームの未熟さを表している」と、決定力のなさをこの試合で引き分けに終わった要因として挙げた。
 これで2位大宮とは勝ち点8差。「残り3試合を大宮が全敗、モンテディオが全勝」または、「大宮が1分け2敗、モンテディオが得失点で10点以上積み上げて全勝」以外に逆転2位 は不可能な数字となったが、「今後飽くまでも可能性のある2位を狙うのか?」との質問に、鈴木監督は「当然そうです」ときっぱり答えた。



■星 大輔 選手
 (得点について)ゴールの瞬間は、まだこれからだ、もう1点取りに行きたいという気持ちでした。結構疲れていたので、思いっきり蹴ったんですけど、ヘロヘロでしたが入ってよかったです。転がって、僕のところに飛んでくる時点で、あそこはもうシュートしかないなと思っていたので、トラップして、打つしかない、浮かさないようにと思っていました。でも疲れていたので、今日の僕では一番思いっきり蹴ったんですけど、思いっきり蹴ってもあれで、コロコロ行ったら入りました(笑)。
 特に前半はあまりボールもうまく回らなかったし、うまく回らない中、ああいう形で失点してしまって劣勢になってしまったかなという印象でした。立ち上がりでああいう失点をすると、ゲームプランが崩れてくるので、前半の立ち上がりが今日の勝てなかった理由だと思います。
 後半は、焦りというか、1点入ればその勢いでもう1、2点行けるだろうなというそういう感じはあったんですけど、1点入った後、2点、3点と行けなかったのが…。
 (攻めにくかった?)相手も4−4−2で僕たちも4−4−2なので、うまくハマっちゃったら攻めづらいということもあるので、そこをハマらないように、中に入ったり外に出ていったりしていました。
 (セットプレーが多かったが?)ゆるいボールでファーに蹴ったり、早いボールでニアとか、いろいろ狙っていたんですけど、なかなかうまく合わなかったかなという感じがします。最近はセットプレーから得点できていないので、これからの緊迫したゲームにはセットプレーが大事になってくると思います。
 (焦りやプレッシャーはなかったか?)今週の練習でも、試合前でも固くなっているというのは見られなかったし、前半から後半半ばまでは焦りというのはありませんでしたが、終盤はやっぱり、グラウンドの中ではみんな、大丈夫だから焦るなとは言っていたんですけど、どこかにはあったかも知れないですね。
 負けなかったということは大きいですけど、勝ち点3を取りたかったです。でもこの勝ち点1があとで響いてくるんだと思うので、今日のことは忘れて、次の試合に臨みたいと思います。勝つしかないので、勝つことだけを考えて頑張りたいと思います。


■桜井 繁 選手

 (失点は)カウンターです、はい。ラインがちょっと下がり過ぎてましたね。(湘南の戦術の)予想はしてましたけど…。
 (早い時間帯での失点が響いた?)その通りだと思います。湘南の攻撃に脅威は感じませんでしたし、やられたのもあれ1本だけだと思うので。今日の失点は悔しいです。
 (昇格に向けてのプレッシャーはあるか?)そう簡単にはそういうチャンスはめぐってこないと思うので、こういうふうになって当たり前だと思います。ここからが本当の勝負だと思って、もう1回気持ちを引き締めてやりたいです。ここまで来たらもう、しっかりやるだけです。
 (天皇杯が中に入るが)別に何も変えるつもりはないので、いつもと同じ1週間を過ごしてしっかり準備してやりたいです。


■小林 久晃 選手

 やり方自体は変えているつもりじゃなかったんですけど、ミスが多すぎて、それで流れを崩してワンチャンスで決められちゃったという感じです。全体的に単純なミスが多かったです。パスミスです、単純に。個人のミスなので、個人の努力でパスミスを減らすしかないということです。あとは「慌てないでやれ」と言うことしか後ろからはできないので。
 (セットプレーからのゴールチャンスもたくさんあったことに関しては)相手もそんなに大きくないし、いいボールも上がってきたので、あそこで決められればもっと楽な展開にはなったと思います。でも、そう簡単に入るものではないので、何とも言えませんが。
 (大宮・福岡は両者勝ち点3を獲得したが)他がどうこうより、いつも「勝ち」を目指して戦っているので、負けてはいないですけど勝てなかったことはすごく残念です。あと残り3試合は今日のことを忘れて、次に向けてやるしかないです。戦い方は今までと一緒。ただ、ちゃんと守りから入っても、ワンチャンスで決められる時は決められてしまうのですけど、それはしょうがない。勝ちたいからと言って最初からむやみに攻めるのではなくて、前の試合でもそうですけど、やっぱり守りから入っていくのが大事だと思います。やっていることは間違いないので、それを忘れずに継続してやっていくことです。
  警告数が3で、これ以上もらわないようにずっと気にしています。気にしてないとやっぱりもらってしまうので。激しいところ、球際ではあまり行けないっていうのもあるんですけど、そこは頭を使ってやっています。躊躇したらダメだけど、冷静に考えて「行かなくても大丈夫」というところは…。「ここさえしっかりやっておけば」というところをしっかりとやるようにしてます。
 失点の場面は、もともと柿本は僕のマークだったけど、引いていたので、もうちょっとみんなで上げる意識があると思ってちょっと前に出たんですけど、僕だけ前に出ちゃって。そこに入れられたのかなと思います。もうちょっとあそこは上げないといけないかなと思うんですけど。まだ(その場面 の)全体のバランスがよく見れていないので、ビデオでよくチェックしたいと思います。ラインを上げるというのは一瞬一瞬で、声を出してからじゃ遅いというのもあるので、共通 意識が大事です。完璧にできるチームはないと思いますけど、完璧にできていないところで決められてしまったんです。(あっという間のできごとのようでしたが)決められるときはあんな感じで、ただ、時間的にまだ早かったので、「焦らずに行こう」と言っていたんですけど。
 それと、攻めている時の20番(佐野)に対してのリスクマネージメントですが、レオナルドと僕がふたりとも待っている場面 があったので、一人が付くようにしないといけないと思います。


■永井 篤志 選手

 相手のサイドがもろかったので、「サイドから攻めろ」という指示でした。流れ的には非常に良くて、予定通 りできたんですけど、でも、セカンドポストにトップの選手とか中盤の選手が詰めきれていなかったです。結構ゴール前を横切る場面 が多かったので、フィニッシュを確実に決めていれば勝てたと思います。
 ドリブル突破については、監督からも「どんどん行ってくれ」と言われています。引いてる選手にパスだけじゃどうしようもないので、できるだけドリブルで引き付けて数的優位 にもっていきたいというのはあります。
 シュートを4本打っていて、あれが入っていれば余裕だったんですけど、特に最初のビッグチャンスで冷静に決めようとし過ぎて、ゆっくりしてたんですよ。冷静にトラップして打とうかなと思ったら、相手のスライディングが突然来て、ボールがどこにあるかわかんない状態でそこからカウンターで。なんか「あれ? 入っちゃった!?」という感じでした。
 (疲れもみえませんが?)国見高校時代のお陰です。走りこみのお陰です。
 今日の試合内容は悪くないし、みんなの気持ち的にも全然落ち込んでいないので、「これからの試合を全部勝てばいいんだ」という気持ちで、焦ってはいません。


■大塚 真司 選手

 今日はちょっとチームの力になれなくて残念でした。チームが勝てればよかったんですけど、引き分けに最後みんな追いついてくれたので、次につながるゲームになってくると思います。同点に追いつけたというのはチームに力があることだと思うし、次につながると思います。やっぱり、ここで勝ち点0
で終わるのと、勝ち点1を取って終わるのでは気持ちの面 でも違うと思います。
 流れは悪くなかったんですけど、失点してしまってちょっとリズムが崩れてしまったかなという感じがありますね。その失点がなければ、また違った形になっていたと思います。
 (湘南は)すごく組織されていて、しかも失点してしまったので、向こうはやりやすくなったのかなという感じはあります。今日はなかなかいい形でボールを動かす事ができなかったです。その中でも自分がもっと仕事をしなければならなかったと思うんですけども、そういったところで今日はチームの役に立てなかったと思います。
 失点して、取られてしまったものはしょうがないので、2点目を失わないということを気にして、時間は十分あったのでチャンスはいずれ来ると思ってました。その中でチャンスもあったんですけど、チームとして決められなかったのが残念です。
 (昇格へのプレッシャーは?)プレッシャーというのは感じていないです。J1昇格ということよりも、まず試合で自分の仕事をやらなければならないという事の方が強いですね。最終節の時にどうなっているか分からないですから、その時はちょっと気持ちも入り方が違ってくるのかもしれないです。1試合1試合戦っていくというのが自分たちの戦い方だし、そういうチームだと思うので、粘り強く戦っていきたいです。
 こういう試合もものにしないといけないと思いますけど、終わってしまったので、気持ちを切り替えて自分とチームを向上させられるようにやっていきたいです。


■高橋 健二 選手

 ちょっとツキのない場面もありましたし、立ち上がりがちょっと悪かったと思います。あとは、最後のところのラストパスだとかシュート、そういうところの思いきりの良さ、精度の良さだと思います。でも、今日はシュートも打ったし、あとはその精度と思いきりの良さ、そこにつきると思います。次に向けてそこを修正していけばいいんじゃないかなと思います。
 (湘南は)最後の最後で体を張って止めていたので、頑張っていたんじゃないかなと思います。でも、1点ビハインドで、諦めないで最後に追いついたのはいい材料だと思います。全然暗くなる必要もないと思うし、前向きに捉えています。勝ち点1を取るのと、0で終わるのでは全然違いますから。
 (次節の仙台戦について)残り3試合ですし、どれも大事なのには変わりはないので、その3試合の中の1試合としてしか捉えていないです。


■大島 秀夫 選手
 (1試合休んでの試合ということについて)特にはそこまで変わりはないかなと思ったんですけど、前半で言えば全体的にミスからカウンターとかでリズムが悪かったので、僕自身も乗り切れなかったところがあったのかなという気がします。
 (ハーフタイムに何か指示は?)後半は、気持ちを切り替えてじっくり粘り強くやれば逆転できるという事で、特に動きの指示とか戦術的な指示は、ディフェンスについてカウンターを気をつけろという事だけでした。本当に最後の場面 で冷静になっていけということ、今まで通り自分たちのやるべきことをやれば、逆転できるという事でした。前半の通 りというよりは、いつも通りにやるという事です。
 (次節について)勝つしかないです。


■梅田 直哉 選手
 やっぱり前半の失点は避けたいところだったんですけど、それがちょっと響いたんだと思います。でも、自分たちの支配率が高かったから点は取れると思っていました。
 チャンスがたくさんあったにも関わらず、なかなかゴール決められなかったのは、ゴール前ゴール前という感じでみんな点を取りたいという気負いがあったと思います。早めに点を取れれば楽だったし、前半のうちに追いついていればもっと違った形になっていたと思うんです。向こうも1点を取ったから守りの意識が高くなって、だから(こちらが)支配した割に崩しきれなかったという理由でもあります。
 残り試合のゴールチャンスには、自分としては「前を向いて勝負したい」と思いますし、大島君との連携で点取りたいという思いもあります。セットプレーが今日は多かったので、そこで入れておけばもうちょっと楽だったと思います。もうちょっとその辺はみんなで修正したいです。


■松田 正俊 選手
 負けている状況だったので、前線で1点取りに行くという役目で入りました。
 うちの攻撃も悪くはなかったんですが、最後のところを決めきれなくて。辛抱強く攻めてとりあえず1点は返したので、その辺はよかったんじゃないかなと思います。
 (最後のフィニッシュの精度を上げるには?)そうですね、変に縮こまらずにもっと大胆に思い切って打っていこうということを監督も言っていました。最後に1点取ったことを次につなげていかなきゃいけないな、と思いますね。
 (チーム内に昇格に向けてのプレッシャーを感じることはあるか?)そんなにはないんじゃないですかね。みんな、もう目の前の1戦1戦を大事に戦うという気持ちでやっているので。あと残り3試合なので、僕たちも本当に死に物狂いで頑張りますので、皆さんも応援してください。


■林 晃平 選手
 自分の動きは別に悪くはなかったと思いますし、コンディションも悪くなかったと思います。
 (ハーフウェイラインより上に上がらなかったシーンがあったが、その時の意図は?)後半の最後の辺りですけど、あれはポジション的な問題なんですけど、右のサイドバックに入って、システムがディフェンスラインが4枚だったので、そこに僕が入ったということです。
 (最後の決定力について)ゴール前までは運べていたと思うので、あとは落ち着いて入れられるか入れられないかということだと思います。前半も何度か(チャンスが)あったし、そういうところを決めきれればよかったなと思います。
 (湘南の守備について)スペースがなかったというのもありますけど、それでもシュートは打てていたと思います。あっちはかなりディフェンスラインが引いて守っていました。
 (スペースがない状態でどのように打開しようと思っていたか?)監督から、スペースはないけど前を向いたらとりあえずシュートを打てと言われていました。
 (後半、チーム内に焦りはなかったか?)僕はベンチで見ていて、いずれ点は取れそうだなという気配はあったんですけど、でもやっぱり前半に同点で折り返せなかったのがちょっといけなかったと思います。折り返せるチャンスもあったと思いました。でも後半はそんなに、僕らは焦りというのはなかったです。

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