2004.9.18 J.LEAGUE DIVISION 2 第34節
モンテディオ山形 1-0 コンサドーレ札幌
前半1-0 後半0-0
入場者数:6.142人
得点者:18'大塚(山形)

 出だしはコンパクトフィールドでのプレー。中盤で激しい攻防が見られたが、そこから流れを引き寄せたのは、2節ぶりの出場となった永井だった。
 左サイドを駆け上がる内山へ、右に流れた大島へ、中盤からタイミングよくパスを供給。また、複数の相手に囲まれながらしぶとく抜け出してチャンスをつくるなど、攻撃の起点として機能した。
 永井とコンビを組むボランチの大塚も、的確なポジショニングから左右へ効果 的な配球で、攻撃のリズムをつくっていく。
 時間が経つにつれ、モンテディオがスペースをうまく突いてボールをつなぐ得意の形に持ち込むことに成功した。

 そして前半18分、左の宮沢から右の星へ大きく展開。星がタメをつくる間に、内側からスルスルと大塚が上がりボールを受ける。一度は相手ディフェンスに行く手を阻まれたかに見えたが、札幌・田畑がボールを取りにアプローチしたところで裏へうまく抜け出し、キーパーとの1対1から豪快にシュートを蹴り込んだ。

 モンテディオはその後も圧倒的に中盤を支配するが、追加点が奪えず、1−0のまま前半を折り返した。  

 後半、モンテディオは「まずしっかり守り、カウンターを狙う」戦術で臨んだが、慎重に行こうという意識が強すぎたことや疲れなどで、前半のようなキレのある動きは陰を潜めた。
 後半20分には、相手のFW・堀井が内山の背後から足で突っ込み退場。しかし、一人優位 の状態を結局は活かしきれず、追加点を奪うことはできなかった。

 試合を通して札幌のフォワードは迫力を欠き、ロングボールはほぼモンテディオのセンターバックにはね返され、裏へ抜けるボールにもしっかりと対応された。札幌は後半37分に放ったシュートががこの試合初めてのシュート。全体のシュート数も2本という結果 に終わった。

 移籍後初先発、大島と2トップを組んだ梅田は、「自分の欲しいタイミングでボールをもらえなかった」というものの、攻撃では常に相手の裏を狙う動きで、守備では相手のパスコースを限定する動きで貢献。後半15分に林と後退するまで、しっかりと役割を果 たした。
 また、後半42分には宮沢に代わり、怪我で戦列を離れていた高橋健二が9節ぶりに登場した。

 次節は、アウェイの川崎フロンターレ戦。相手の昇格がかかった大一番で注目が集まるが、鈴木監督は「やることはいつもと同じ。いつもと同じ戦い方をするだけ」と平静を保っていた。



■大塚 真司 選手
 監督が試合前に一人一人に一言一言言ってくれるんですけれども、その中で「モビリティ」ということを自分に言ってくれたんです。そういう指示の中で積極的に前へ飛び出して行ったことがゴールにつながって良かったです。気持ちで蹴ったのがゴールにつながったと思います。(入った瞬間は)「あー、入っちゃった」という感じで、その時は興奮してしまいました。何と叫んだかは忘れてしまいました。今まで後ろでサポートすることが多かったんですけど、積極的に動いてチームを活性化させたかったので、星からいいボールがきてシュートまでいけて、良かったです。2試合休んで、ここでまた自分の力を出してチームに貢献したいと思っていました。展開によってはいつもは後ろでサポートしてサイドチェンジというのが多いんですけど、もっともっとどんどん自分が入っていけば相手も嫌だと思うので、積極的に前に行きました。労を惜しまずあそこで動けたということがゴールにつながったと思います。
 (ボールを持った時、相手DFの裏を狙ったのは?)向こうが食いつかなければゴールはなかったんじゃないかと思いますけれども、取りに来てくれたので、そこをうまくかわすことができました。あとは、気持ちで。監督が言ってくれた「モビリティ」、そこですね。その前に1回入って行ったんですけど、後ろでサポートしてバランスを取っているだけのボランチじゃなくて、積極的に動くことで活性化されると思うので、そのモビリティの一言であそこに入っていくことができたんじゃないかなと思います。これからも、ゲームの流れだとかその時の状況によると思うんですけど、自分が動くことによってチームが活性化されるのなら、労を惜しまずやっていきたいと思います。
 (セカンドボールもよく拾えていたが?)そうですね、シュートということよりも、そこをまず自分が一番やらなければいけないところです。そこをしっかりやってゲームをコントロールしなければならないので、そういう小さいことから自分のできることをしっかりやっていきたいです。ここまで3週間休んだんですけど、チームに貢献できないのがちょっと辛かったです。でもそこで自分ができることをしっかりやって、あと11試合戦える身体を作って臨みました。今日は自分の仕事ができて、チームに貢献できたので良かったです。休んでいる間は筋トレだとか、そういう普段できなかったことをしっかりやって今日に備えました。これからも自分の仕事をしっかりやっていきたいです。
 (後半は厳しい展開になったが?)そうですね、でもその中でもバランスは崩してはいけないと思ってやっていたので、危ない場面 はなかったと思うんですけど、もうちょっと楽に勝てるようにこれからみんなで頑張りたいと思います。(前半ほどボールを回せなかったのは)疲れもあると思うんですけど、1点入っているということで、バランスを崩したくなかったということもあると思うんです。でもやっぱり、もっともっとボールを動かしていい展開ができたと思うので、これからやっていきたいです。
 1−0で追いつかれる試合も多々あったんですけど、逃げ切ったということで、今は勝ち点3を取ることが一番重要なので、これからも続けていきたいです。苦しい時間帯でも選手一人一人がみんなに声を掛けて、「今は気を抜かないんだぞ」と、誰かがじゃなくてみんな一人一人が意識してやっていることなので、それがチームがいい方向に向かっている要因だと思います。1試合1試合集中して、大事な試合だと思って戦っていることがこの結果 につながっていると思います。粘り強く、手を抜かないでやっていけば結果が見えてくると思います。昇格というよりも、1試合1試合、自分たちができるサッカーをしっかりやって、その積み重ねで見えてくることだと思うんです。自分のできること、自分たちのできることをやって、サポーターの皆さんに喜んでいただくことが一番大事だと思います。
 (サポーターに一言)観客が多い方が嬉しいので、6000人の人が一人一人、もう一人を呼んで来てくれたら1万2000人になるし、そういうふうになるように、選手はグラウンドで結果 を出さなければならないと思います。自分たちに力を貸してほしいと思うので、またスタジアムに駆けつけていただいて声援を送っていただいて、共に頑張りたいと思います。
 (次節の川崎戦について)ここでまた川崎ということで、非常に楽しみですね。自分たちもやりがいのある試合になるので、いい試合ができると思います。勝ちたいですね。
 (目の前で川崎昇格というのは避けたい?)うーん、どうだろうねぇ。それを関係なしに、今は自分たちが、もう残り10試合になってもう手が届くところにいるわけなんで、それに向かって負けられないということです。相手の昇格には関係なしに、しかもフロンターレはいいチームですから、そういうチームには絶対勝ちたいですね。


■桜井 繁 選手
 これからなので、あまり順位は気にしていないです。最終的に3位以内に入れるように頑張りたいと思います。今日は、僕はさほど仕事はしていないと思います。ディフェンスをはじめ、中盤とフォワードもディフェンスの意識が強いので、こういう結果 になっているんじゃないかなと思います。クロス対応は積極的に出ました。ディフェンスがラインをあまり深くならないように、高い位 置をキープしてしっかりマークしてくれていたので、今日はけっこう(前に)出やすかったですね。そんなに難しいボールも来なかったので、いつも通 りですね。相手が悪かったというよりも、ディフェンスがしっかりしていて、センタリングを上げられても、相手が触る前に自分たちがクリアしているから相手もシュートが少なくなった、ということもあると思います。崩れなくなったというか、みんなしっかり声を掛け合って意思統一してやっているのでそれが一番いいことなんじゃないかなと思います。


■内山 俊彦 選手
 いつもと一緒で、全員が守備の意識を持って、奪って早く攻めるという事でした。どことやっても楽な試合はないと思うので、最初の入り方を大事にしてという感じで。どことやってもいい試合ができると思いますけど、やっぱりどんなチームとやっても、どちらにも決定機は来るから、そこを抑えてこっちが点を取るという事ができればいいと思います。今日は最後にちょっと危ないのがあったんですけど、相手が10人にがなったということで、そんなに、向こうに決定機はなかったです。
 ここまで来たら昇格というのはみんな頭にあると思うんですけど、団子状態だし、2つぐらい負けたら落ちてしまうので、1試合1試合、勝ち点を積み重ねるという感じですね。この第4クールになっても昇格争いに参加しているということは、どこのチームも出来ることではないので、自分も含めてすごくいいモチベーションで練習からやれていると思います。

■迫井 深也 選手
 最近、バランスよく守れていると思います。全員の守備の意識の高さだと思いますね。攻めていても、後ろの人はリスクマネージメントしたり、ボールを奪われても攻撃の選手が攻守の切り替えですぐ守備に入るとか、全員の守備の意識の差が無失点を生んでいると思います。
 (1−0で勝ちきる難しさは?)どんな試合にしろ相手があることで、自分たちだけでゲームは進められないということはサッカーのすごく面 白いところでもあるんですけど、チームの底力がこの第4クールからは証明できるという、そういう場じゃないかなと思うんです。
 ここからはとにかく「相性がいいから勝った」とかそういうのではなくて、一戦一戦、チームの底力を常に出し切らないと、何が起きるかは分からなくなると思います。全ての面 でしっかり準備して、その一戦に、常にフレッシュな気持ちで、開幕戦のように臨めるような状況を常に作ることができればいいと思いますね。勝利に対して貪欲になり始めているというのと、やっぱり勝利に慣れてきたというか、やはり強いチームというのは1−0を完全に勝ちで終わりきるというメンタリティがあると思います。
 (サイドバックについて)それは、周りの人が評価すべきことで、僕としては与えられたポジションを全力で尽くすというのがプロとしての仕事じゃないかなと思います。


■小林 久晃 選手
 もうちょっと(シュートを)打たれたのかなという印象だったんですけど、記録を見たら2本でした。でも、後半の最後の方はちょっと、向こうの右サイドからセンタリングを上げさせ過ぎたので、あの形だと数的に有利でも点で合わせられたら決められてしまうので、そこはもうちょっと競るように指示できたらなと感じました。
 前半はかなり完璧に抑えていたなというのがあるんですけど、後半は1点のリードだったので、気持ち的にちょっと押し込まれていたというのを感じていて、そんなにはいい内容ではなかったのかなと感じています。
 (相手の2トップの印象は?)最初の2トップは両方とも、足元もあるし、スピードもあるので警戒していたんですけど、あまりいい形でボールが出てこなかったので、そんなには怖くはなかったです。高さ的にはレオナルドと自分のところでうまく競り勝てていたので。あとはボランチの2人がくさびのボールをすごくカットしてくれたので、ディフェンスとしては特に前半なんかは楽でしたね。
 (相手のフォワードが1枚になって)2トップの時よりは、サイドバックが攻撃に参加できる機会が増えたんですけど、ディフェンスの時に同じような形で守っていたので、それはちょっともったいなかったかなと思います。もうちょっと前に人数を増やしていった方が。最終ラインに2人、3人余っている場面 があったので、ちょっともったいなかったです。3ラインにこだわりすぎたかなと思います。
 (次は川崎戦ですが?)今一番力があるチームだし、ただ、ここ何試合かこっちも失点してしていないので、ある程度0に抑えていけば、あっちも早く昇格したいだろうし、焦りも出てくるので、その隙を狙ってというか、そういう形で勝てればベストだと思いますね。


■星 大輔 選手
 勝ててよかったと思います。前半に1点取れて、後半にも2点、3点と追加点を取りたかったです。相手も退場してくれたので、そこの数的有利を生かして追加点を狙いたかったんですけど、そこがちょっと残念でした。
 (追加点が取れなかった原因は?)後半は相手がボールを持つことが多かったと思うんですけど、でも僕たちの感覚の中では「回させている」という、そういう感じがゲームの中であったので、そんなにやられているというのはなくて、そこから奪っていい攻撃ができなかったかな、ということです。シュートはたくさん打っているんですけど、効果 的な攻撃ができなかったのが原因だと思います。
 (サイドからだけでなく、中に入って攻撃を仕掛けるシーンも多くみられたが?)そうですね、監督からも、(サイドに)張っているだけだとマークに付かれやすいと言われていて、僕も試合でそれを実感しているので、中に入ったり外に出たりして相手のマークを外したり、中に入ってサイドのスペースをあけてサコさん(迫井選手)が上がってきたり、というのを意識してやっています。
 (中盤と梅田選手との連携はどうだったか?)よくボールも動いていたと思うので、ボランチ、中盤との連携は良かったんじゃないかなと思います。
 (これからも1-0のような厳しいゲームが続いていくと思いますが?)集中力と、勝ちたいという気持ちが、1点取るか取られるかというのを今後決めていくと思うので、気持ちをまず一番に持って戦い抜きたいなと思います。これからはもう、厳しい試合だろうしプレッシャーもあるだろうし、でもそんなことも言っていられないので、これからは「勝ちたい」という気持ちで跳ね返して勝っていきたいと思いますね。
 今日はいつもよりたくさんお客さんに入ってもらって、勝つことができて。今日は6000人ちょっとだったので、次は7000人、8000人、9000人と、1万人を超える中で僕達もプレーしたい。それには僕達がいい試合をして勝っていかなければならないと思うので、いい試合をして勝って、お客さんにもいっぱい来てもらって、そのたくさんの人の中でプレーして一緒に戦えたらと思います。これからもよろしくお願いします。


■宮沢 克行 選手
 自分のシュートシーンが何本かあって(前後半2本ずつ合わせて4本)、あそこで1本でも入っていれば楽だったと思います。あと一歩のところが…。そこを決められるようになればいいです。
 今日は湿度も高くて体力的にはきつかったですけど、全体のシュート数が17本、それに対して相手は2本と、モンテの目指すサッカーが出来たことの結果 でもあります。「あわてずにいこう」という気持ちはみんなあったと思います。
 (後半、振り向きざまに大島選手へ、鋭く素早いセンタリングがあったが)ハーフタイムに監督から「切り替えしてセンタリング上げたりしろ」と言われたので。僕は身体が大きくないで、次のボールの動きを予測したりして、早目に動き出そうといつも心がけています。
 まずは、一試合一試合を自信を持って粘り強く戦っていきたいと思います。たくさんの人に見てもらって、「応援していて楽しい」とか「元気が出る」とか思ってもらえるような、そういうプレーがしたいです。結果 、J1昇格ができれば良いです。


■梅田 直哉 選手
 勝利できたので良かったと思います。監督の指示で大島君がポストをして、僕は裏を狙っていけと言われていたので、そういう面 ではある程度は仕事が出来たのかなと思います。裏を狙って相手のディフェンスラインを下げさせるという意図がありました。自分の中では、シュートを打ちたかったんですけど、自分の得意な形に持っていけなかったです。うまく自分の欲しいタイミングでボールを呼べなかったというのが課題ですかね。周りのパスを出すタイミングと、自分のもらいたいタイミングというのは、1週間しかまだ練習していないので、その辺はもっとコミュニケーションを取っていくというのが大事だと思います。
 点を狙ってはいたんですけど、まずはチームの勝利のためにプレーしました。シュートを打つのも大事ですけど、ディフェンスであったり、起点になることであったりというのをやりながら、チャンスがあればシュートを狙っていくというか、得意な形がくればシュートを打ちにいくというのは考えていました。結果 的に、前半に点が取れて、前半にこっちのペースでいいリズムができたと思うので、その辺ではまあまあかなと思いますけど、やっぱりもっと自分の特徴を出していきたかったなというのがありますね。
 (後半途中での交代でしたが、疲れはどの程度?)まだまだ僕の中ではいけそうかなと思っていたんですけど、チームの流れを考えたら、もっともっと新鮮な選手が出て動きを前線で作れればいいかなと思いますし、交代に関しては特にありません。


■大島 秀夫 選手
 いい時間に点が取れたのは良かったです。でも、後半にチャンスが無かったわけではないので、そこで決められなかったのは残念です。晃平が入ってからも何度かクロスを上げたりもらったりしたんですけど、攻め急いだという感じで上手くいきませんでした。もっと早い段階でボールを取って速く攻められたらそれにこしたことは無いですけど、遅れた時に無理にいってもダメなので。
 梅田選手とはこれだけ長い時間一緒に試合でやったのは初めてなんですが、初めてにしてはいと思います。中盤との絡みも良かったです。お互いの動きがかぶらないように意識してやりました。
 相手FWの退場で数的にもちろん有利になりましたけど、さっき言ったように攻め急いだという感じです。一人減って10人になった時のカウンターが怖いですから。粘っての勝利でした。

最新情報一覧はこちら →→ What's new!
試合結果一覧はこちら →→ Game Review


Copyright (C) 2002 Rush-web. All Rights Reserved.