2004.9.5 J.LEAGUE DIVISION 2 第32節
モンテディオ山形 3-0 水戸ホーリーホック
前半0-0 後半3-0
入場者数:4.468人
得点者:59'大島(山形)、70'林(山形)、88'松田(山形)

 後半開始から投入され、期待通りに1点目のアシスト、2点目のゴールを決めた林でさえも、後半38分に登場した松田正俊にこの日の主役を奪われた。

 「お前のゴールを見せてくれ!」
 鳴りやまない松田コールの中、大島との縦のワンツーで抜け出しシュートまでもって行くなど、出場直後から得点の雰囲気を感じさせるプレーを披露していた。
 そして後半38分、カウンターで中央のスペースに飛び出す。相手DFの森との1対1を振り切り、強引にゴール前まで攻め込むと、飛び出したキーパーが松田を倒し、PKを得る。
 キッカーは、その松田。昨年の4月26日以来となる復活のゴールをど真ん中に豪快に決め、水戸にトドメを刺した。松田がピッチに立っているだけで興奮気味だったスタジアムは、さらに喜びを爆発。松田もそれに応えるように、一目散にバックスタンドへ走り、サポーターに復活のあいさつをした。

 試合は前半、水戸が普段よりも前掛かりでプレーし、宮沢が中へ入って空いたスペースを起点に、関がクロスを折り返すなど攻め込む場面 も見られたが、精度とタイミングの問題で、中で待っている2トップの
決定的なチャンスまで結びつかない。
 しかしモンテディオも、人とボールの動きがいつもより少なく、やや消極的なサッカーに終始した。前半は両チームとも決定的な場面 がなく、0−0で折り返す。

 モンテディオは、後半最初から林を投入。
 その林は期待通り、水戸のスペースへ快速を飛ばしてかき回し、攻撃の起点となった。
 そして後半14分、永井のパスに追いついた林が、右サイドのスペースからクロスを上げるとファーサイドで待ちかまえる大島がダイブしながら頭で押し込んだ。

 モンテディオはその後も攻撃の手を緩ない。2点目の起点となったのはまたも永井。桜井のゴールキックからのボールを中央で競り勝ち、右サイド奥へ配球。そこへ走り込んでいた迫井がダイレクトで折り返すと、ゴール前で足から滑り込んだ林が2点目を決め、松田を投入しやすい状況が整った。

 モンテディオの広報担当者が、「(川崎)健太郎が号泣したそうです」と教えてくれた。他にも涙を流した選手が何人もいたと言う。
 昨年5月の大怪我を負った。ここまでの苦しい道のりと、努力する姿を見続けていたチームメイトの誰もが、この日を待っていた。ストライカー・松田の、大きな大きな復活弾だった。



■松田 正俊 選手
 やっと、山形で試合ができて嬉しかったです。入った時にはもう2-0だったので、残り時間も少なかったし、とりあえず一発決めてやろうと思っていました。すごく(声援が)聞こえていたので今日はやってやろうと思っていました。今日は本当に、僕が入る前に2-0だったので、試合に出ていた人に感謝しています。気は楽にピッチに入れました。
 (PKは)誰もいなかったので、もう俺のものだろうと(笑)。別に何も考えずに思いっきり蹴り込みました。緊張というよりも、ほんとに復帰戦でこういうチャンスをもらえたので、絶対決めてやろうという感じでした。今までのゴールで一番嬉しかったです。
 (ゴール後、サポーターの元へ行ったのは?)ずっと怪我している時もいろんな励ましとか、応援とかを受けていたので、やっぱりサポーターに一番にゴールを見せたかったので。それで、初めから行こうとは思っていなかったんですけど、決めた後に勢いで行っちゃいました(笑)。これからも得点なり、いろんな形でチームに貢献できるように頑張りたいと思います。
 今まで本当にサポーターの声援がすごく有り難かったし、今日もピッチにすごく声援が聞こえてきて嬉しかったです。(声援のおかげで)本当にすごいいい気分でサッカーできました。今までのすごい応援を有り難いと思っているし、これからもひとつひとつ戦って勝ち点を重ねてJ1昇格に向けて頑張っていきたいと思います。まだ3位 とはいえ混戦なので、ひとつひとつ勝っていきたいと思います。


■林 晃平 選手
 流れが良かったので、結果が残せて良かったです。前半はちょっとお互いに守って、守ってで、相手もけっこう引き気味だったので、攻め手がなかったというのがあったんですけど、後半に流れで点を取れました。3点取れたというのが良かったと思います。
 細かい指示は別になかったんですけど、ハーフタイムに監督からみんなに「楽しんでやれ」という事を言われました。とりあえずボールをいっぱい触って、ボールを前で受けようとは心掛けていました。相手がけっこう引き気味だったので、ちょっとスペースにはなかなか出れなかったんですけど、いい流れで得点できたし、アシストも流れでできたので、良かったです。
 (好調の要因は?)いつも通りなんですけど、たまたま結果が出ているだけです(笑)。
 (チームの好調の要因は?)みんなやることをひとりひとり分かっているので、ここまで来たら下位 のチームからは絶対落とさないようにして。とりあえず上にはまだいて2位じゃないし、食らいついていくという気持ちですね。とりあえず1試合1試合を大切に、落とさないように頑張りたいと思います。


■迫井 深也 選手
 (ゲームキャプテンだったことについて)びっくりしました。試合前に、置かれていたんですよ、ユニフォームの上に。
 みんなの守備の意識が高くなって、やっぱり今までカウンターとかでやられていて、それで湘南戦を機にみんなの守備の意識が高くなったのがひとつの要因だと思います。たまたまピースとして僕が入っただけで。特に僕が入ったから守備が安定した、というわけではないと思います。とにかくバランスを崩さないということ、スペースを相手に与えないということ、ラインのコントロールをしっかり声を掛け合ってやるとういうことをみんなでやっているだけですね。本当に基本的なことをみんなで、ただ確認をより強くするようにしています。
 (2点目のアシストについて)あれは、おまけです(笑)。とにかく晃平がそこに飛び込んでくれるだろうと思って蹴って、晃平が飛び込んでくれたので僕がというより晃平があそこにいてくれたというのが素晴らしいと思います。あの状況で、1-0だったと思うんですけど、次の1点がどちらに入ったら試合が動くかというのがやっぱりあったと思うので、思い切ってリスクを恐れずに行くっていうのは。星が中にポジションを取ってくれてスペースが空いていたので、チャンスになったら積極的にいこうかなと思ってました。前半はあまり積極性っていう意味ではあまりないので、ちょっと動きを出して前に行こうと思いました。
 (前半は向こうが思ったよりも出てきた?)というよりも、自分たちがちょっとチャレンジできないところがあって、思い切ったことができていないというところがあったと思います。そういった中で後半に晃平が入って、動きが出たのがあると思うんですよね。
 (これで3位ですが?)順位というよりも、とにかく一戦一戦、先を見ず一戦一戦戦っていくことが大事だと思います。今日は松田の日なので(笑)。やっぱり苦労している人は頑張ればああやって、日の目を見るというのはみんな幸せで。感動しましたよ。やっぱり、彼は1年間苦労した人なので、いろんな事の葛藤もあったと思いますけど、こうやって試合でいきなり得点できて、素晴らしいと思います。


■内山 俊彦 選手
 他会場の試合が終わっていて、下位のチームとやるということで、絶対勝ち点3の欲しい試合でした。それが普通 に勝てたので良かったと思います。
 ディフェンスはこれまでも、試合でいい結果が出ているのは失点しないということが前提だったので、まずは失点0で、ということでやりました。全員の守備の意識が高いというのと、いい位 置からディフェンスしているから、攻めに転じたときにいいバランスで攻めることができていると思います。
 (2得点した後、守備が不安定なシーンが見られたが?)どういうゲームでもどんな相手でもピンチというのは何回かある訳で、それがその時間に来たということだけだと思います。
 今日は(松田)正俊が点を取って、自分も感動して、サポーターの応援があったから力になったと思います。自分も怪我して少しは苦しかったけど、正俊はすごく長かったので、それが一番今日は嬉しかったです。


■小林 久晃 選手
 前の試合に続いて失点0というのはすごくチームにとっても自信になるし、自分にとってもすごい自信になりますね。とりあえず、ボランチを含めたディフェンスラインのバランスを崩さないということと、あとしっかりとリスクマネージメントしているということが、相手にそんなに崩されなくて済むという要因だと思います。
 (前半の水戸の印象は?)もっとガチガチに守ってくるかなと思っていたんですけど、もちろん守りに入ってきたときは引いてきたんですけど、攻めの時にどんどん来てたんで、でもそんなに効果 的な攻めというのはなかったと思うし、後半はバテてくるだろうという考えで守っていました。
 (2点取った後の守備の意識は?)時間帯が時間帯で、もうそんなに時間がなかったので、そこから逆転されるということはあまり考えてなかったですけれども、とりあえずディフェンスは0に抑えていこうということをディフェンスラインで声を掛け合っていたので、それが最後まで集中を切らさずにできたので良かったです。
 (松田選手には何か声をかけたか?)彼も今日のこの日を待ち望んでいただろうし、ファンの方々やチームメイトも彼の復帰を待っていたので、今日復帰していい形で点を取れて、チームにとっても彼にとってもプラスになったんじゃないかと思います。
 まだまだ3位なので、この9月で勝ちを増やして、リズムに乗りたいなというところです。気を抜かないで頑張っていきたいと思います。今日もサポーターの皆さまの応援のお陰で勝てたと思うので、これからも一緒に戦っていきましょう。


■太田 雅之 選手
 (今日はボランチとしての交代だったが?)初めてですね〜。でも、残り時間少なかったし。
 (交代時の指示は?)守りをしっかりやりなさいというか、それだけ頑張ってという感じで。まあ、僕にそれ以上要求されても(笑)。今日は守備です。
 前半ちょっと流れが悪くて、でもそこで点を取られずにしのげたというのが、やっぱり今日の勝因だと思います。相手が後半になって落ちてきたのもあるし、(林)晃平が入ったことによっていい流れになってきたというのもあるので、悪いなりにというか、うまくいかなくても0で前半抑えられたというのが今日のポイントだったと思います。
 (DFが特に安定してきているが?)そうですね。まあそこらへんは、今日は僕の方からはなんとも言えないので(笑)、みんなそれなりにやろうとしていることを忠実にしっかりやっていると思います。
 (松田選手には何か声をかけたか?)「おめでとう」ですね。怪我をして苦しかった時期を見てきているので、やっぱり点を取ったシーンは感動しましたね、はい。
 (サポーターに一言)少しでもJ1昇格の力になれるように頑張りたいので、たくさんの人の応援を待っています。


■桜井 繁 選手
 失点0で抑えられたので良かったです。
 (後半、どのような指示が?)「もっと伸び伸びやろう」というふうに監督が言ってくれて。(前半は)みんなちょっと、ミスを怖がっているというんじゃないですけれども、ちょっと暗い雰囲気だったので。それでハーフタイムに監督がそう言ってくれてみんな吹っ切れた感じでプレーできたのが良かったんじゃないかなと思います。
 1点を取るまで時間がかかって、危ない場面はそんなになかったんですけど結構苦しい感じの時間帯もあって、でもそこでしっかり我慢できたから点が取れたんだと思うので、チーム全体、よく我慢できたんじゃないかなと思います。
 (チーム全体が、メンタル面で成長している?)そうですね、はい。みんな信じて、後ろが守れば点を取ってくれると思ってるし、前の選手も点を取れば勝てると思ってやっていると思うので、そういうのがいいふうにいってるんじゃないかと思います。
 (松田選手には何か声をかけたか?)「おめでとう」と。よくやってくれたなと思います。
 (サポーターに一言)これから大事な試合がたくさんありますが、1試合1試合、確実にやりますので、これからも応援よろしくお願いします。


■星 大輔 選手
 前半は相手が引いてきてうまく崩せなかったんですけど、後半はうまくスペースを突けて得点できたんじゃないかなと思います。失点が少なくて、「いいディフェンスから」というテーマで今やっているので、そこがうまく機能して失点が少ないということが勝ち点に結びついていると思います。
 前半を終えて、監督が「ちょっと暗い」というか、元気がないと言っていたので、後半はもうアグレッシブに行こうということで。それで後半はアグレッシブにできたんじゃないかなと思います。
 今日はマツ(松田選手)が点を取ったときも嬉しかったし、自分のことのように本当に嬉しかったので、今後も、僕とマツが一緒に、今日は僕とマツが代わっちゃったので、今度は一緒にピッチでプレーして、それで2人で得点に絡んでチームが勝てればもっと嬉しいですね。そういうところもこれから注目してもらえれば。
 昇格とか順位は考えずに、次の試合一戦一戦というのを考えながらやりたいです。


■大島 秀夫 選手
 (1点目のゴールは)足で飛び込むより頭で飛び込もう、と。最初、頭に当たったけど、ボールが見えなくて、周りがワーッと言ったから「ああ、これは入ったんだ」と思いました。(仙台・佐藤寿人にゴール数で並ばれたことについて)正直、追いつかれるっていうのは、気分はあまりよくないですね。
 前半はもっと人の出入りをしないと。ふつうにパスを回してるだけじゃ相手は崩れないし、誰かがスペースを空けたり、誰かが長い距離を走ったり、そういうことをしないと簡単には崩れないですから。後半は淳さん(鈴木監督)の言葉で、みんな気持ちを切り替えて、「自分たちらしくやろう、楽しくやろう」という意識で、いい結果 でいいサッカーができたと思います。相手も動けなくなってきて、(林)晃平君が入ったことによって、どんどんかき回してくれたし、それが大きかったと思います。
 (3点目のPKは)あれは松田選手が蹴るシチュエーションですから。(自分は)前回、外しましたし(笑)。松田選手がゴールを決めることでノッてきて、そうやって調子のいい人がどんどん出てくればそれがチーム力にもなると思います。
 ここまで、負けた試合で引き分けにもっていけた試合もあるし、引き分けの試合を勝てた試合もあるし、一戦一戦振り返れば満足はしていないです。周りが支えてくれたお陰というか…。まあ、まだ先は長いですから。

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