2004.7.27 J.LEAGUE DIVISION 2 第24節
モンテディオ山形 1-1 川崎フロンターレ
前半0-1 後半1-0
入場者数:3.572人
得点者:09'アウグスト(川崎)、83'内山(山形)

 ビューティフルな同点弾だった。
 前半に1点を先制されたモンテディオは、後半、林に続いて根本を投入し、攻撃のボルテージを次第に上げていった。
 後半36分、川崎の3バックの一翼を担っていた佐原がこの日2枚目のイエローカードで退場。そのプレーで得たフリーキックを蹴ったのは、この試合がホーム初登場となる宮沢。右45度、ゴールまでの距離約35メートル(推定)の位 置から、きれいな弧を描いてボールはゴール前へ。ペナルティーエリア内に走り込んだ内山がこれにドンピシャで頭で合わせると、ボールはそのままゴール左に突き刺さった。
 内山がモンテディオに入団したのは、JFL最後の年の98年。その年の第10節・国士舘大学戦、2-2の終了直前に初出場を果 たすと、直後に決勝点を挙げたが、内山のリーグ公式戦でのゴールは実にこの時以来2度目。J2では108試合目にして初めてのゴールとなった。

 川崎は、累積警告で前節は出場していなかったマルクスが左に張って3トップになったり、トップ下に入ったりとめまぐるしく移動したが、これに対して前節と同じ布陣を敷いたモンテディオの守備はしっかりと対応し、川崎に決定機を与えなかった。
 しかし、前半9分、ディフェンスのこぼれ球をジュニーニョが拾いそのまま突破を図ると、レオナルドがたまらず手で止めてしまい、ペナルティーボックスのすぐ外からのフリーキック。これをアウグストがゴール左にきれいに決め、先制した。
 モンテディオは大塚を起点に左右にボールを散らしたが、サイドからゴール前につながるボールが出せず、攻めあぐんでいたが、37分、高橋健二からの縦パスをゴール前の太田が粘って横に流したところを秋葉がシュート。しかしこれはバーを大きく越えた。
 また、40分には中央の宮沢から右の高橋に展開。さらにその右から太田がオーバーラップしたところで高橋は中へ折り返すと、ゴール前でヘディングシュートを放ったのはまたも秋葉。しかし、今度はキーパーに弾かれ、得点はならなかった。

 結局、1点のリードを許して後半に突入。
 16分にデーニに代えて林を投入、30分には秋葉に代えて根本を投入し、攻撃の圧力を強めたことで、内山の同点弾が生まれた。




■内山 俊彦 選手
 やっぱりJ2でも一番強いチームなので、1点を争うゲームになるということで、できるだけ失点しないで、みんな守備から入っていって。自分らのペースでできたと思います。みんな前向きというか、(ボールが)外国人に入って、そこからの攻めが迫力があるので、そこだけはちょっと危なかったですけど、うちのボールを回してサイドからっていう攻撃は後半に特にできていました。一応、守備が(自分の)持ち味なので、まずはそこから、プラス攻撃で。それで得点できれば上出来です。勝てればよかったんですけど。
 (得点シーンは)最初は後ろのこぼれ球のところにいたんですけど、後ろが数的有利だったので、(宮沢選手が)蹴るちょっと前にふら〜っと上がっていって。スペースというか、空いているところにいいボールが来て。(得点は)毎試合狙ってはいたんですけど、ちょっと遅かったかなと思います。今まで「惜しい」止まりだったから(笑)。うれしいです。(ゴール後に)サポーターの前に行ってみようかなと思って(笑)。
 (宮沢選手について)技術があって、経験もあるので、やりやすいし、頼りになります。コンビネーションも問題ないです。
 (厳しいスケジュールについて)できるだけ食事して睡眠をとって、朝にきっちり起きて、ということだけですかね。それはどこのチームもそうなので。スタミナっていうのは、自分たちにはたぶんあると思うので、そこのところで戦えていけると思います。


■宮沢 克行 選手
 (アシストについて)ヘディングの強い選手も大勢揃っているんので、いいボールを上げれば必ず決めてくれると信じて、そういう気持ちで上げました。(内山選手を)特に狙った訳じゃなくて、大島やテル(小林)や、誰が入ってきても点が取れると思ったので。トシ(内山)がもし触れなくても違う人がまた触れるみたいな、そういうボールを意識して蹴りました。蹴った瞬間、自分の中ではいい感覚がありました。でも、決めてくれた選手がうまく合わせてくれたと思います。
 監督に指示されて蹴らせてもらっているわけですから、それに応えないといけないし、そういった中でいいボールを上げればチームも楽ですし、信頼も得られますし、僕のプレーの一つとして、今日はいいアピールができたとは思います。
 (中へ入る動きが多く見られたが?)そうですね、自由に動いていいと言われているので、外に張るよりかは中の(高橋)健二さんや(大塚)真司さんとポジション交換をうまくして、そういう動きの中でパスコースを作ってという、自由にやらせてもらっているので、ボールを回しながら選手も動いて攻めていくという、そういう感じでやっています。多分、今までもそんなに(形には)はまらずにやっていたと思うし、僕もそういう指示が出てるんで、それで今日も後半は特に、飛び出したり、足元にもらったり、いろんな選手に絡んでいけたと思います。ディフェンスの時はしっかりポジションから入りますけれども。多分、もともと外側で、というタイプではないと思います。
 (コーナーキックの右と左の蹴り分けは?)右は(秋葉)勝が蹴るっていう感じで、左は僕だったんですけど。ポジションによっては僕が蹴る時もありましたし、自由にやっていました。途中で変えたということではないです。
 (山形のチームの雰囲気は)特に違和感なく。まだまだ得点に絡むいいプレーが少ないと思いますけど、サッカー自体はすごく好きですし、楽しいですし、いいサッカーを目指しているなと感じていますので、それにいい形で加われたら、チームもより良くなると思います。僕らはプロである限り、上を目指すのは当たり前ですし、そういうチャンスが今あるわけですから、昇格を狙っていきたいですし、そういうつもりで来ましたし。あとは、みんなの力を出し切ってやれば、全然問題ないと思います。


■桜井 繁 選手
 (前半の失点は)見えなかったですね。ディフェンスに、俺にわざと見えないように立ってる選手がいたので、どかしてもらいたかったですけど、どかしてもらえないで、まったく見えない状況で蹴られてしまったので、手も足も出ない結果 になっちゃいました。後半の最後のフリーキックあったじゃないですか。あれは「どかせ、どかせ。(ボールが)見えるようにしてくれ」って言って、蹴る一瞬だけ見えたので、壁にも当たったし、うまく対応できたんですけど、失点した時はマークを一人つけてどかさせないと、僕は何にもできないですね。まるで見えないんで。
 それより、フリーキックになる前の、フリーでテル(小林)がヘディングして、それをジュニーニョに拾われたのがありましたけど、俺その時「クリア」って言ってしまったので、「フリー」とか言えば、セカンドボールも拾われないで、あのファウルもなかったので、そっちのほうが個人的には悔いが残ります。クリアでも悪くはないですけど、そのボールをジュニーニョに拾われて、レオがファウルしてフリーキックになってるので、テルに一言「フリー」って声を掛ければ、トラップなりなんなりして、その後に大きくクリアできたと思うんですよ。これが初めてではなくて、前にも1回こういうのがあったので、フリーキックで入れられたのも悔しいですけど、そっちのほうが悔しいですね。納得がいかないというか、情けない。
 (川崎の攻撃について)そんなに来なかったです。ジュニーニョのドリブルぐらいで、クロス対応はしっかりできたので、ドリブルさえむやみに突っ込まなければ、と思ったんですけど。ディフェンスとの連携で、相手の攻撃に対してはうまく対処できたと思うんですけど、あの1本だけですね。全然攻められてないのに、あの1本で1点取られてますから。
 今日はトシさんが点を取ってくれたから負けなくて済みましたけど、下手したらあの1本のせいで、いい内容で行ってたのに負けたということになり兼ねなかったです。
 監督からも「前半は0点で行け」と指示があって、それでああいう形で入れられたので、正直言って、かなりショックが大きかったですね、僕は。もう1回、精神的にリラックスして、そしてもう1回集中して、次こそ絶対に直して、絶対に0点に抑えるつもりでやります。


■秋葉 勝 選手
 相手が3トップ気味なので、(右SBの)太田さんも中に絞らざるを得なくなって、固定ということはないんですけど、どうしてもアウグストのケアが多くなりました。
 中盤は運動量でポジションチェンジとかしながらやれるので、やりにくいことは全然ないです。誰かが中に行ったら外へ抜けるとか、フォワードを追い越すとかできてます。
 (前半40分のヘディングシュートは)ちょっと…。どフリーだったんですけど。枠には飛んだんですけど、ニアじゃなくてファーを狙いたかったですね、逆方向に。そうすると弱いボールでも入ったかなと思います。健二さんから本当にいいボールが来て、ちょっと後ろへ下がりながらでしたけど。いつも自分がベンチに下がってから得点を入れてもらってるので(笑)、助かってます。
 (「J2のプレーヤーとして立派にプレーできてますね」と言われて)それは観てもらって、判断してもらえれば。頑張ります。


■大塚 真司 選手
 立ち上がり、相手の攻撃に押されてしまって失点してしまったんですけども、そこからみんなで粘り強く戦っていくうちに、相手の運動量 も落ちて、自分たちの運動量のほうが勝って、動きの量・質ともにいいものをみんなで出せたと思うし、その中で、自分も微力ながらチームの力になれたんじゃないかなと思います。
 みんな1対1の競り合いで負けていたら、主導権を握られてしまうので、一人ひとりが責任を持って1対1の場面 で戦えたことが、最後に粘り強く追いつけたという結果につながったと思います。
 ゲームの内容がよかったんじゃないかなということと、首位のフロンターレに対して、運動量 でも、プレーの質でも負けなかったということで、今後につながる引き分けととらえていいんじゃないかと思います。


■高橋 健二 選手
 前半、ああいう形で失点しましたけども、最後まで諦めないで自分たちのサッカーをして引き分けに追いつけたので、まあ良かったんじゃないですかね。相手のディフェンダーも強いので、そう簡単には崩せないと思っていたんですけど、まあいい感じでプレッシャーをかけることができてボールを奪えて、いいパス回しというかポゼッションもできていたと思うので、その辺は、首位 の川崎相手にしっかりできたんじゃないかなと思います。
 川崎は、タレントが揃っていて、強力なフォワードもいるし、ディフェンダーもしっかりしているので、まあ、強い相手です。逆転できるかなと思いましたけど、追いついたので、これからにつながるゲームだったんじゃないかなと思います。
 (川崎の得点につながったフリーキックについて)あれはまあ、しょうがないと言うか。アウグストもいいキッカーだし、壁の作り方だとかそういう修正点もあると思うので、それはしっかりこれから直していけるところは直していきたいと思います。
 (新加入の宮沢選手との連携について)もう、来た時から結構、みんなの輪の中に入って、コミュニケーションはほとんど問題なく取れているんじゃないかなと思いました。(宮沢選手のクロスの精度の良さが)それが武器でもあるんで、そういう形で点が取れたのが良かったんじゃないですか。克行もここに来てアシスト取れたし。
 いまだに団子状態の中、第3クールはすごく大事なクールだと思っているので、ここで気を緩めずに一戦一戦、大事に戦っていきたいなと思っています。


■大島 秀夫 選手
 また立ち上がりに点取られて。前半は絶対0点に抑えていこうという話だったんで、ちょっとその辺がまた同じミスを繰り返したんですけれども、全員で最後に追いつけて。引き分けに終わったとは言え、いい勝ち点1だったんじゃないかなと思います。相手もそんなに前からそんなにそこまで来なかったし、ボールもある程度回すことができたので、みんな積極的にプレーできたんじゃないかなと思います。
 (デーニ選手とのコンビネーションについて)デーニは自分のタイミングでやるプレーが多いんで、もちろんそれに合わせてやっていこうとは思っています。もうちょっと話し合ってやっていけたらいいのかなと思いますけど。デーニの個人技は高いんで、どんどんいいところを引き出してやれればいいかなと思います。
 (宮沢選手の加入で)セットプレーのキックももちろんいいんですけれども、宮沢さんは流れの中でもちょっとマーク外したところに相手の背後に動き出したところに出してくれたり、流れの中でもすごくいい精度のボールを出してくれるので、そういう意味でも攻撃の幅が広がったと思います。
 (サポーターに一言)すごい熱の入った応援で、本当、僕らも沸きあがってくるもの、こみ上げるものがあったし、すごい力になります。本当にありがたいです。

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