2004.6.5 J.LEAGUE DIVISION 2 第16節
モンテディオ山形 1-1 横浜FC
前半1-1 後半0-0
入場者数:4,174人
得点者:13'大島(山形)、25'臼井(横浜)

 前半、モンテディオは横浜の浅いディフェンスラインの裏を狙う攻撃がオフサイドにかかったり、横浜選手の度重なる負傷によるプレー中断で波に乗れずにいたが、11分、左サイドのデーニから大きなサイドチェンジのパスが星に通り、中へ折り返した辺りから攻撃のリズムをつかみ始める。
 その直後、桜井のゴールキックを、この日34歳の誕生日を迎えた高橋健二がワンタッチで裏へ流し、それにデーニが飛び込むなどチャンスが続いた。
 そして13分、高橋が右に出したパスを、この日右サイドバックに入った小林がワンタッチでゴール前へ。緩いカーブを描きながらキーパーとディフェンスの裏に入ったボールを、2人のセンターバックの間からタイミングよく抜け出した大島が落ち着いてシュートを決め、モンテディオが先制した。
 その後もプレスをほとんど掛けてこない横浜を相手に、ディフェンスラインでボールを回している時、ディフェンスラインの前に5人が待ちかまえるなど、得点の匂いはした。しかし、ここで飛び出したのは横浜の同点弾だった。
 前半25分、左60度、ゴールまでの距離50m(ともに推定)のフリーキック。ショートパスでゴールまでの距離を少し詰めた後、中島が蹴り込んだのは、ゴール前ファーサイドで待ち受けるトゥイードの頭。このクロスは大きく、トゥイードの頭を越えていったが、その裏でボールを拾った臼井が角度のない位置から左足で蹴り込み、ゴールネットを揺らした。
 モンテディオは川崎がオーバーラップで再三チャンスをつくるが、ゴール前の選手との呼吸が合わず得点できなかった。
 また、前半デーニが5本のシュートを放つがいずれも枠をとらえることができず、勝ち越し点はならなかった。

 後半8分、臼井の怪我で3枚の交代枠をすべて怪我によって使い切った横浜は、「引いてカウンター」の戦術を徹底。その中で、少ないチャンスをものにしようとモンテディオも攻め込む。
 後半20分には小林がゴールライン際まで持ち込んでふわりと上げたクロスがゴール前の大島まで届いたが、トラップを大きく弾く間にクリアされた。
 ロスタイム突入直前、左から永井がクロス。大島がダイレクトでディフェンスの裏にちょこんと出したボールに中村幸聖がスライディングで飛び込んだが、体を張って守る相手ディフェンダーに阻まれた。
 第9節の仙台戦や第15節の京都戦の後半で見られたように、ボールを回しながらゴール前で決定機をつくることがなかなかできなかった。
 城、内田、臼井と3人をゲーム中の試合で交代させた横浜は、追いついたあと1−1のまま逃げ切った。
 試合後、記者会見に臨んだ鈴木淳監督は「第2クールに入り特別悪いゲームはしていないが、引いてくる相手に対する練習をしていかないと今後の戦いが厳しくなる」と、今後の課題を挙げた。


■小林 久晃 選手
 今日のアシストは大島が見えていたというよりも、GKとディフェンスの間が空いていたので「誰かが決めてくれれば」と思って出しました。
 サイドバックのポジションというのは初めてっていうか、高校時代以来くらいですね。攻撃参加がどうこうより、ディフェンスでしっかりラインを安定させるように言われていました。だから、まあ出来ていたと思います。
 相手選手の負傷によりしばしばゲームが中断したが、こういうことも珍しいですよね。早い時間帯で相手の主力選手に交代が出ることはうちにとっては有利でした。終盤になれば運動量が落ちてきて交代選手がでるのは予測できることなのですが。
 横浜はこれまでも多くの引き分けして勝ち点1を取ってきたが、固く守ってくるチームですね。高いボールを放り込んでも190cm以上のディフェンダーもいて、こういう引かれた守りにどうやって対処して攻めていくかが今後の課題ですね。
 試合も第2クールに入ってお互いにどのチームも研究し合ってゲームプランも思い通りに行かないこともあるけど、僕自身は1回目も2回目も変わらないです。これからも受身にならないで積極的に行かないと。横綱相撲の出来るチームじゃないですから。


■川崎 健太郎 選手
 攻撃はよかったんですけど、守備の失点の場面は防げたミスだと思うので…。こぼれ球っていうんですか? 抜けてきたボールをサイドにいた選手に折り返されて決められたので、あの辺を最初にしっかりマークについていれば防げたので。ディフェンスが崩されてやられたっていう失点ではないので、そういう意味では集中力というか、全然防げるミスなので、次に修正していければ問題ないと思うんですけど。(トゥイードは)背がでかいので、触るかなと思って、そのこぼれ球をっていうのを意識しすぎて、ボールを見すぎて相手の位置をちょっと確認しきれなかったっていう。触るとは思ったんですけど、抜けてきても全然対応できる余裕はあったので、そういう面では集中してなかったわけじゃないですけど、修正できる点だなと、いらない失点だなと思います。
 攻撃に関しては、自分のいいところが最近でているので。攻撃はドリブルでいっても取られる気が最近しないので。クロスは毎日練習しているので、その成果もちょっとは出ているのかなと思います。1試合1試合やるにつれて慣れてきて、(上がる)タイミングもだいぶわかったし、思い切っていけば自分のいいところ、ドリブル、シュート、キックなので、そういうところを自信をもって出せていければもっとよくなると思います。あとは守備をきっちりやって、90分集中しっかりできる集中力を持てれば全然問題ないと思います。今日は特にバテたっていうのはなかったんですけど。まだ全然やれました。これからまた熱くなっていくと思うので、まだまだ走ってバテないようにしていかないといけないかなと思います。
 引いて守られて、あれだけでかい選手がいたら厳しいですけど、こっちも大島さんとか強い選手が全然いるので問題なかったです。


■内山 俊彦 選手
 (復帰戦を戦っての感想は?)勝ちたかったです、ホームだし。
 監督の指示は「あまり中に入らないで外から攻めろ」ということでした。もうちょっと左のほうから上がりたかったですけど、タイミング的に(ボールを)回すことが多くて。それは試合内容的にしょうがなかったと思います。
 (上がった後の裏の対応は?)それはいつも通り、自分が攻めたら誰かカバーしてくれてるし、自分は早く戻って、ディフェンスして、またチャンスになったら上がる感じで。それはいつもどおりです。
 (ゴーグルは)本当は眼鏡というかサングラスでやってたんですけど、練習でかけてたんですけど、すぐには許可が出ないみたいで、一応、ダービッツのやつ着けてやってます。(サングラスは)海外では大丈夫らしいんですけど、日本では審判の判断で「危ない」ってなったらダメなので、フェイスガード作りました。目のほうはほとんど治っていて、あとは、目にバンと衝撃を受けた時だけが心配ですけど、ほかはもう何をやっても大丈夫です。
 どこで出るにしても、試合に絡めるように頑張ります。


■桜井 繁 選手
 自分たちのミスでまた失点したので、もったいない試合だったかなと思います。結果的に1点先に取ったのに、追いつかれて。最近失点が多いので…入れられる瞬間は「またかよ!」って。でも、誰が悪いっていうことじゃないですけど。(失点の場面は)はっきりと声をかけたつもりなんですけど、それでダメならもっとはっきりゼスチャーもやっていかないとダメだなと感じました。後半はけっこうみんな前掛かりになって、カウンターみたいな感じなのが来ていたんですけど、でもその辺は冷静に対応できていたかと思います。(セットプレーでは)トゥイードとマシューが、190cmくらいあるので、できるだけ自分で積極的にいって、取れればと思ってやっていたんですけど。大きいからヘディングさせないようにしようとは思いましたけど、でもそこまで警戒はしていないです。セットプレーはしっかり対応できたんじゃないかなと思います。
 (小林選手が右サイドバックに入って連携のずれは?)それは別にないと思いますよ。練習でもしっかりやっているし。連携が悪くてやられたっていう感じでは今日はなかったですし。それにトシ(内山)さんとか、井上くんとかも治ってきているので、これからどんどんみんな怪我人が帰って来るので、心強いと思います。
 (集中力を保つためには?)声をとりあえず切らさないで。試合前に監督からも、暑いからお前が後ろからどんどん声を出して、集中を切らさないようにっていう指示を受けて。自分はしっかり声を出して1試合通してできたんじゃないかなと思います。声がでかいのがウリなので(笑)。


■高橋 健二 選手
 今日もそんなに内容的には悪くはなかったと思うんですけど、やっぱり、ゴール前の厳しさが足りないし、あとは引かれた時にどうやって崩すかという。ただ放り込んでも点は取れないし、相手を崩す時のことををもっと考えていかなきゃいけないと思いました。
 自分自身、そんなに突破力があるとは思っていないので、こっちで作っていい形で右に渡せればいいと思うし、そういうことを意識して。あとは(川崎)健太郎が攻撃力があるので、その辺をうまく使えればということを意識して今日はやりました。
 ホームなんで、よけい勝ちにこだわりたかったんですけど、結果的に引き分けで終わってしまったのがちょっと納得いかなかったです。後半いまいちうまくできなかったから、後半に前半ぐらいアグレッシブにやれればもっと違うと思うので。これから1週間開くので、修正していきたいです。
 (今日が誕生日だということで)いや、みんなからは別に。そんなもんです(笑)。ファンの方からは何人か(プレゼントを)もらいました。勝てればいいなと思っていましたけどね。


■大塚 真司 選手
 全体的に自分たちのペースで試合を進めることはできたと思いますけれども、やっぱり、引かれた相手に対して最後まで攻略できなかったなというのがあります。打開策としては、一つはサイドからの崩しだと思うんですけど、そこは何度かトライできていたとは思うんですけど、途中から自分がフリーになる場面が多かったので、そこでセーフティなプレーも大事なんですけれども、あそこでもうちょっと自分が積極的に得点に絡めるようなプレーをしなきゃいけないな、という感じですね。サイドに振るということはまずは自分ではできたかと思うんですけど、最後の最後のところでのプレーの質を上げていかなければならないと思います。
 (第2クールに入ってから波に乗れていないことについて)44試合ある中でやっぱり波はあると思うんですけれども、ただ、今その波が落ちている状態だとしても、すごい落ちているわけではないので、チーム全体としてそんなに悲観的になっている訳ではないので。切り替えて1試合1試合やっていきます。相手に研究されているな、というのは今のところはそんなに感じないです。
 (失点後の雰囲気は?)1点取った後に追いつかれたというところを、しっかりゼロで抑えられるような粘り強い戦いというものをしていきたいです。失点シーンは、こっちが人数が多いとどうしてもふわっとした気持ちというか、そういうのになりかけたのかな、というのがありますから、もう一度やっぱり、「誰かが」じゃなくて「自分が」という気持ちを90分持ち切ってやることが勝利につながると思います。
 最初から飛ばしていって、暑さもあったので、ちょっと次第に攻守の切り替えが遅くなっていったというのはあると思うんですけれども、別に雰囲気が悪くなったとかそういうのはないです。最後まで90分競り勝ってたと思うので、それは自信を持っていいと思います。これから暑くなってきても毎日しっかりよいトレーニングをしているので、いいトレーニングをして一生懸命やっていれば自ずと結果はついてくると思うので、これを信じて続けていきたいです。
 (中盤から先、攻めきれなかったか?)そこに相手が人数をかけているからというのがまず一つありますけれども、そこまで押し込んでいるのは確かなんですけれども、そこでやっぱりもう一つ、自分自身とかがフリーになったところで、もうちょっと思い切ったプレーをしてもよかったのかなと思いますけど、それがこれからの自分自身の課題としてしっかりやっていきたいです。自分のところがフリーになった時に、空いてるポジションを見つけてどんどんボールを動かしていこうと思ってたので、その「動かす」というのはできたと思うんですけど、あとは最後のところですね。もうちょっとしっかり仕事したいと思います。割に余裕を持ってできたけど、もうちょっとスピーディに攻撃の流れを止めないでという、そこをうまく使い分けたかったですね。スピーディにいくところとゆっくりするところと。特に相手が出てくるわけじゃなかったんで、自分たちのサッカーをしっかり最後までやろうと思って貫いてましたけど、相手も暑さでちょっとバテてたのかなってのもありますし、山形の方が走り勝っていたとは思います。


■大島 秀夫 選手
 (先制点は)ディフェンスとキーパーの間に速いいいボールが入って来たので、落ち着いて決めることができました。センターバック2人がボールサイドに寄ってて、スペースも後ろにあったので、あとは(シュートを)打てる準備をしてボールを待ちました。
 横浜はディフェンスラインが浅いところまで上げてくるので、オフサイドに引っかからないように飛び出すような動きをしていこうっていうのがあったんですけど、狙ってはいたんですど、オフサイドになったり、いいボールが来なかったり。なかなか決定的なところまで行かなかったです。
 試合が終わってからみんなで話し合ったんですけど、(後半は)もうちょっと人の出入りをして、ディフェンスをもっと引き出して、バランスを…。完全に守られてて、単純な攻撃だけだったので、もうちょっと動きで工夫して崩せればよかったと思います。相手も「守ろう」っていう感じのサッカーで、自分たちがいい攻撃ができなかったっていうことだと思います。
 相手が引いてしまったら、人の出入り、フォワードが下がってできた裏のスペースに2列目が飛び出すとか、対策法はいろいろありますけど、今日はできませんでした。フォワードも中盤も「前へ、前へ」って思って、全員前に並んだ状況も多かったし、もうちょっと声を掛け合ってできればよかったと思います。
 (暑さ対策で人の動きを抑えたところはあったか?)いや、そういうのはないです。ボールを動かして行こう、と。それには人も動かなければボールも動かないし、それはいつもとそんなに変わらないと思います。
 今後の課題は、今日の最後みたいに「あと1点決めれば」という場面で決めることです。(後半20分に)テル(小林)が右サイドを突破してファーでディフェンスの頭をうまく越したんですけど、あそこでトラップをミスしたのは悔いが残ります。


■中村 幸聖 選手
 点を取るために入り、自分でもゴールを狙っていたのにシュート0で不甲斐ないです。
 入る時に特別な指示は受けませんでしたが、やっぱり点を取るのが仕事なんで。「惜しい」とかじゃダメで、最低でもシュートを打ち切るところまでもっていかないと。今日も2本も3本もボールを受けていながらゴール決めるところまでいかなくて。ゴール取っていかないといけないと思ってます。積極的にボールに行って、よりシュートを狙っていいパフォーマンスが出来ればいいです。
 体調はいつも通りでいい状態です。でも、思い通りのプレーが出来ないと「どうしてだろう?」と考えているうちに体調まで落とすことなんかもあるので、このままのいい状態でいきたいです。


■林 晃平 選手
 今日は(出場した)時間が少なかったんですけど、相手がちょっと引いていたので、裏に抜けるスペースっていうのはそんなになかったので、ドリブルで仕掛けていけとは監督に言われていました。何もやっていないというか、何もできなかったというのがちょっと悔しいです。相手に引かれた時にこっちがどう対応して攻めるかっていうのは、ちょっと考えないとなとは思います。今日は右のサイドハーフです。でも中に入ったり外でプレーしても、自由にじゃないですけど、そんな感じでやれたので。
 (時間が少なかった?)でも、出たらやっぱりやらないと。

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